第五章 加賀藩治終末期 第三節 錢屋五兵衞 河北潟流毒事件の眞相 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
したるを以て、腐魚を食ひしものゝ病を得、甚だしきは命を殞すものあるに至りしことも 亦疑を容れず。然るを藩吏徒らに流言蜚語の囂しきに狼狽し、魚價の低落によりて生計に 艱める漁民の喧騷するに驚駭し、遂にはこの死魚... |
第六章 大聖寺藩治一斑 佐分儀兵衞の處罰 |
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、拳を固めて擲ち、或は白刄を擬して脅し、足輕等の叩頭陳謝するに及び、初めて之を宥 せり。後數日にして事藩吏の知る所となる。乃ちその足輕を罰し、士人も亦行爲の穩當な らざりしを以て頭役の爲に譴責する所となる。是... |
第二章 加賀藩治創始期 第六節 基督教の傳播 外教禁令を惡用したる誣告 |
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して、後に改宗せりといへども、内心實に之を放棄せしにあらずと書したる高札を立てし ものあり。是に於いて藩吏勘兵衞を江戸に護送し、利常より幕府に上申せしが、固より確 乎たる事實あるにあらざるを以て空しく歳月を過... |
第三章 加賀藩治恢弘期 第二節 前田利常の監國 改作法實施 |
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作法略成就したるを以てその奉行を發せり。既にして全領内に於ける前年の貢租皆濟の良 結果を得たりしかば、藩吏は急使を發して之を在江戸の利常に告げしめき。健歩の至りし 時既に亥刻を過ぎしが、利常の之を聞くや直に老... |
第四章 加賀藩治停頓期 第五節 社會種々相 栗田源右衞門 |
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の債は皆即時に之を償ふのみならず、邸宅も亦荒廢せるを以て久しからずして改造するの 意あることを語れり。藩吏これを怪しみ内偵を放ちて檢せしめしに、彼の所有する金銀の 額甚だ多きものゝ如くなりき。因りて改方奉行小... |
第五章 加賀藩治終末期 第三節 錢屋五兵衞 關係者の逮捕 |
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是に於いて藩吏は密偵を放ち調査せしめしに、錢屋五兵衞及び要藏二人が石炭と毒油とを 投じたる結果なりとする説盛に行はれ... |
第五章 加賀藩治終末期 第三節 錢屋五兵衞 嫌疑者とその處分 |
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刑に當る上は亦連座の責を避くる能はざりしも、實際之を免れ得たりしは彼が寄食者なり と主張したるに因り、藩吏その事實ならざるを知るも強ひて追窮する所なかりしなり。凡 そ要藏以下の處分は、之を今日より見れば過重の... |
第五章 加賀藩治終末期 第四節 元治の變 齊泰の上洛 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
、弟米山甚八郎と共に遊學して江戸に在りしが、齊泰の出京せるを聞き急遽西上してその 所見を侯に上りしに、藩吏彼等が法規を無規して擅に旅行せりとの故を以て、亦之を藩に 送還して謹愼せしめたりき。この際齊泰の上洛せ... |
第五章 加賀藩治終末期 第八節 本多政均の遭難 沖太郎義平の捕縳 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
沖太郎と義平とは既に目的を達したるを以て、その所に座して藩吏の指揮を待ちたりしに 、騷擾の音を聞きたる徒目付等三人來りて彼等を一室に幽し、而して沖太郎はその懷中せ... |
第三章 學事宗教 第十節 佛教 一喝爭議 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
かば、千岳も亦默過すること能はず、屢使僧を派して書を與へ、互に辯難して是非を決せ んごとを求め、又之を藩吏に謀れり。藩吏、この年利常・光高二侯が江戸城修築の爲に在 府し、且つ宗論は幕府の禁ずる所たるのみならず... |
第六章 經濟交通 第二節 物價 文化の小松暴動 |
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年三郎助のみは追放の刑に處せられき。蓋し糺問の結果米穀買占の事實ありたるに因るも のゝ如し。是より先、藩吏かの兇徒を嘯集せしものを搜索せしに、中町の高堂屋庄次郎と いふ者落文を爲し、又郡内尾小屋村の農民を使役... |
第二章 加賀藩治創始期 第一節 末森の戰 秀吉の返書 |
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於ける軍状を報じ、丹羽長秀が本月二十日の頃を以て領邑越前に歸るべきを記せり。果し て此の如くならば加賀藩吏稾に載する所の、利家が大森に出征せし間に、長秀兵三千を率 ゐ金澤に來りて聲援せりとする説の、全く誤謬な... |
第二章 加賀藩治創始期 第六節 基督教の傳播 基督教徒の遺蘗 |
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年北陸を巡廻して教理を説き、喜悦と平和とを信者に與へたり。此等の事固より秘密に行 はれたりしならんも、藩吏の之を知らざる理なく、假令知るも知らざるが如くしたりしな り。然るに其の後中央に於ける迫害は、漸く宣教... |
第二章 加賀藩治創始期 第六節 基督教の傳播 根幹を掘り枝葉を芟る |
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一意專心取締に盡力せしかば、その祖先の一たび基督教徒たりし者は、假令現に確實なる 佛教信者たりとも、尚藩吏監督の嚴酷と隣保交際の冷淡とに堪ふる能はずして自らその生 命を縮むるものあり。彼等が自己所有の家屋を賣... |
第二章 加賀藩治創始期 第八節 社稷の危殆 利常の平和的施設 |
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罰するの令を發し、七月には能登に於ける七木保護の制を設け、松・杉・檜等の良材を伐 採せんとするときは、藩吏の許可を得るにあらざれば濫に之を爲す能はざらしめしが、後 にはこの法を加賀・越中にも施行せり。次いで九... |
第三章 加賀藩治恢弘期 第二節 前田利常の監國 士人の困窮 |
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に、啻にその手續の複雜なりしのみならず、吏務の公平を維持すること甚だ難く、農民は 專らその低下を欲し、藩吏は偏に加重を企つるが故に、その間互に憎惡嫉視の弊を生ずる か、否らざれば賄賂贈收の害を招くことなきにあ... |
第三章 加賀藩治恢弘期 第二節 前田利常の監國 江戸城の天守築造 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
しが、事閣老の聞く所となり、他の諸侯が皆之に倣ひて驕奢を爭ひ、爲に無用の資を費さ んことを慮り、窃かに藩吏に告げて是等の衣服を用ひしむることなからしめしも、尚利常 は孫綱紀と共に編笠を被りて屢工事場を巡視し、... |
第三章 加賀藩治恢弘期 第二節 前田利常の監國 利常の農制整理 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
元和鞬櫜の後、利常心を政治に用ひ、最も農制を重んず。故にその創定する所、後世皆之に 率由して利便多く、藩吏或は少しく之を改めんとする者ある時は、農民爭ひてその遺法を 株守せんと希へり。利常亦能く農民を愛せり。... |
第三章 加賀藩治恢弘期 第四節 極盛極治 高山屯戍 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
森頼旹の封を出羽國上山に移し、高山は爲に空城となりたるを以て、八月二十二日老中戸 田忠昌は在江戸の加賀藩吏をその邸に招き、加賀藩が隣境にあるを以て兵馬を派してこれ に屯戍せしむべく、その人員と弓鎗鐵炮とは食邑... |
第三章 加賀藩治恢弘期 第四節 極盛極治 葛卷昌興の配流 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
固より意に決する所ありしかば、疾と稱して邸内に屏居し、その僕隸を放つ等擧措頗る穩 當を缺けり。是を以て藩吏昌興を以て喪心せりとなし、六月十日これを拉して寺西宗寛の 家に禁錮し、十八日能登の津向に流謫せり。而し... |