第三章 學事宗教 第六節 俳諧 素然 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
元祿十六年牧童・支考合著の草刈笛亦刊行せらる。この書實は支考の撰集にして、牧童は 單にその名を貸せるに過ぎざらんも、牧童の... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 支考の再現 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
かくて支考の名聲益籍甚たりしが、彼は正徳元年秋自ら終焉の記を作りて踪跡を晦まし、 故老亦相繼ぎて凋零せしかば、加... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 支考の行脚 宇中 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
北陸に入りし俳人中、その勢力扶植に成功したること芭蕉に次ぐものを、美濃の支考とな す。白陀羅尼は元祿甲申(寶永元)二月の序文を有するも、内容は元祿十六年の句集なり と思はるゝが、そ... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 凉莵乙由等の來遊 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
支考と時を同じくして、元祿十六年伊勢の涼莵杖を金澤に曳くや、萬子・北枝・牧童・里 臼・從吾・長緒・八紫等皆... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 北枝 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
如く、編中に去來・丈草・正秀・惟然・風國・木節等、蕉門の俊髮を網羅して一大選集を 爲せり。寶永三年三月支考京師に於いて芭蕉の十三回忌を營まんとし、北枝を招請す。時 に北枝は『回祿有レ斷』て參會せざりしこと東山... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 秋の坊 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
秋の坊は石川郡鶴來の人とも金澤魚問屋の隱居ともいはる。俳僧となりて卯辰蓮昌寺の別 堂に住めり。支考が獅子物狂の中に、『爰に聞ゆる秋之坊は、一城の人ににくまれて、三 越の人にしたはれしが、』といへるは、... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 從吾 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
從吾は金澤の人、名は白尾屋傳右衞門。支考及び北枝と風交最も深厚なり。享保八年に刊 行したる白陀羅尼は支考の著なるも、表面上從吾の選とせられたる... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 牧童 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
息中には牧童に宛てたるものあり、又牧童に傳言を依頼せるものありて、師弟の交情大に 厚かりしを知るべく、支考の牧童傳には『吟席交會此人をしらずといふ人なし。』といへ ば、亦深く俳諧を愛したるを見る。しかもその穿... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 千代 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
は詳かならず。或は本吉なる北潟屋大睡の婢たりしと傳ふ。この間千代は漸く俳諧に親炙 する所ありしが、その支考の門に入りたるは享保四年十七歳の時にあるものゝ如く、支考 が金澤より美濃の大毫に送りし書簡には、冒頭に... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 美濃伊勢の俳風勃興 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
是等外來詞宗の中、我が俳界拓殖の功の最も偉大なるものは、先づ指を支考と乙由とに屈 すべく、芭蕉の薫陶によりて養成せられたる元祿俳人の凋落したりし後、北陸の斯界に煌 々の光輝... |
緒言 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
兆といひ、句空・萬子・牧童・秋の坊等の俳雄、一時に勒な並べて競進したるもの、何等 の偉觀ぞや。既にして支考・乙由等の足跡を印するや、之が感化を受けて崛起したるもの に希因と千代尼とあり。共に地方的俳壇のものに... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 萬子 |
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君舍より白米五斗と、『一に俵ふまへてこせよ年の坂』の句を惠まれたりとのことは、芭 蕉消息集に出でたり。支考も亦萬子を推稱して、我が友にはおそれありと獅子物狂に書き 、又その本朝文鑑には、芭蕉の友に萬子・素堂あ... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 小春 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
不レ少候。』といへるは、亦小春の富裕にして雅趣を味ひ得ざるを戒めたるものと解すべ く、その亭の有樣は、支考の東西夜話に、『庭のたゝずまゐも物なつかしく、あなたは一 むら竹の其かげに、水鉢の水いと涼し。物數寄な... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 厚爲 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
地氏、名を才右衞門といふ。一號彌子。本朝文選に彼を評して蕉門之英士也といひ、その 俳文讀佛骨表を載す。支考の東西夜話に、江沼郡橘驛の茶店に、『芭蕉門下の行脚人なら ば、此宿のあるじに案内させて厚爲亭に來れ。』... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 希因 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
通稱綿屋彦右衞門、初號を紀因・幾因又は申石子といひ、所居は暮柳舍と稱す。初め俳諧 を北枝に學び、次いで支考に從ひ、更に轉じて乙由門下の高足となる。而もその才識の非 凡なる、徒らに美濃・伊勢の格調に雷同するを欲... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 千代傳の疑問 |
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に嫁したりといふことも、一子彌市を擧げたりといふことも、共に頗る疑なき能はず。葢 し十七歳にして、既に支考より無上の推奬を受けたる千代は、その聲名の擧ると共に伉儷 を得るの機會を逸し、俳諧に一生を委ぬべく決心... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 麥水 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
兄歿したるを以て金澤に歸り、甥の後見となりて茶器等を鬻げり。當時麥水俳諧を五五及 び希因に學び、又能く支考の著書を讀破せしが、虚實の論茫漠として捕捉すべからざるを 慊らずとし、乃ち伊勢派の風調を慕ひてその地に... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 大睡 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
花・九々翁・三葉庵・山歩人ともいふ。石川郡本吉の産にして、その師承を明らかにせず といへども、恐らくは支考の感化を受けたる人なるべし。享保十二年四十四歳にして剃髮 し、金澤の郊外桃雲寺萬元に參禪し、後諸國に行... |
第三章 學事宗教 第六節 俳諧 すゑ |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第三編 |
『近道はよいこと二つ清水哉』等あり。すゑ、叔父久兵衞を迎へて夫とす。久兵衞は俳號 を桃洞舍之甫といひ、支考の門人なり。 |
第六章 經濟交通 第四節 交通 手取川の渡舟 |
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らしむるの時に當りては、旅客の困難到底之を今日より想像すべからざるものありき。元 祿十四年美濃の東花坊支考がこの國に入りたる時、手取川の状を叙して『此川は北國第一 の難所なるが、其見渡しは一里ばかりもあらん、... |