第六章 大聖寺藩治一斑 幕府利鬯を徴す |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
出發を促すは勞苦察するに餘ありといふべし。然れども事甚だ急なるを以て直に旅程に就 かんことを切望すと。利鬯乃ち命に應ずべきや否やを宗藩に諮りしに、加賀侯も亦利鬯の 東下すべきを勸めたりき。七月宗藩の齊泰・慶寧... |
第六章 大聖寺藩治一斑 大聖寺藩の京都守衞 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
年正月五日老臣前田主計を江戸に往かしめ、攝津の戍兵を免ぜられんことを請ひしも許さ れず。因りて四月九日利鬯は自ら京師に向かひ、老臣佐分儀兵衞以下七百餘人之に從へり 。十六日利鬯洛に入りて南禪寺に寓し、後三日入... |
第六章 大聖寺藩治一斑 再度の入洛 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
同年四月十一日、先に幕府再び大聖寺藩に禁闕の守衞を命じたるを以て、利鬯は老臣前田 主計等を從へて國を發し、十八日入洛して本滿寺に舘し、詔を受けて南門を衞る。後數日 利鬯遙かに... |
第六章 大聖寺藩治一斑 利鬯の歸藩 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
利鬯江戸に在ること既に久しく、應に國に就かんとせし時京師及び常野の騷擾あるに際し たるを以て、尚その地に留... |
第六章 大聖寺藩治一斑 海防令 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
利鬯の世は幕府の末造に際し、内外最も多事を極めたる時に當れり。文久三年三月大聖寺 藩海防令を布きて曰く、外... |
第六章 大聖寺藩治一斑 利鬯江戸に往く |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
二月二十九日利鬯、加賀侯齊泰に代りて江戸に出發し、重臣前田中務以下之に從へり。是 より先幕府は齊泰に命じ、將軍家茂の京... |
第六章 大聖寺藩治一斑 第十四世利鬯 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
第十四世の藩主を利鬯とす。亦宗藩齊泰の第七男にして、母はその臣奧村安久の女なり。 天保十二年六月十二日金澤に生まれ、幼名を... |
第六章 大聖寺藩治一斑 元治事變の影響 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
この變、大聖寺が金澤より京師に出づるの要路に當りしを以て騷擾の餘波を受けしこと尠 からざりき。當時藩侯利鬯は江戸に在りしが、遙かに手書を送り將士を激勵して曰く、近 年外虜の難日一日より甚だしく、加ふるに京師の... |
第六章 大聖寺藩治一斑 利鬯の薨去 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
爵を授けられ、大正九年七月二十七日正二位を以て薨ず、享年八十。法徳院と諡し、東京 府下雜司ヶ谷に葬る。利鬯の夫人を祉子といひ、富山藩主前田利保の女なり。大正七年七 月二十二日歿し、正徳院と諡し、亦雜司ヶ谷に葬... |
序 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
せられて、治を金澤城に施きたる時に始り、明治四年金澤・大聖寺二藩の廢せられて、藩 知事前田慶寧及び前田利鬯が、居を東京に移しゝ時に至るまで、二百八十九年に亙る間の 治亂盛衰と民情世態を明らかにするに在りて、本... |
第五章 加賀藩治終末期 第五節 征長の役と南越の陣 大聖寺福井二藩の後援 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
しとき、附近の諸侯皆兵を出してその封境に備へしが、我が支藩大聖寺も亦越前と境を接 するを以て、藩侯前田利鬯は兵を宗藩に借りて不慮の變に應ぜんとし、福井藩も亦兵を今 庄に出して浪士を要撃せんとすとの報ありしかば... |
第五章 加賀藩治終末期 第七節 北越戰爭 北陸道鎭撫總督任命 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
謹而奉二言上一候。宜御奏達被二成下一候之樣仕度奉レ願候。誠恐謹言。正月廿五日(明 治元年)前田飛騨守(利鬯)〔北陸道先鋒記〕 |
第五章 加賀藩治終末期 第七節 北越戰爭 先鋒總督金澤に入る |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
融通一洋銀一枚ニ付金三分之當りを以無二差支一交遣可レ致旨御書付、兩通之趣奉レ畏候 。以上。前田飛騨守(利鬯)内三月(明治元年)前田主計在判〔北陸道先鋒記〕 |
第六章 大聖寺藩治一斑 南越の役の影響 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
大聖寺藩の士卒にして越前に在りしもの二十二日を以て皆還りたりき。この時加賀藩の援 兵は小松に在りしが、利鬯はその退軍を求め、二十三日大聖寺藩兵の境上に駐れる一隊亦 歸邑す。後二十九日福井侯は使者を大聖寺に派し... |
第六章 大聖寺藩治一斑 藩治最後の軍役 |
石川県立図書館/大型絵図・石川県史 石川県史 第二編 |
元年正月十一日朝廷令して、方今邦家危急に際するを以て、兵を率ゐて速かに入京すべき を告げ給へり。然るに利鬯は疾みて勅を奉ずる能はざりしを以て、重臣前田右近をして代 りて天機を奉伺せしめ、また野口物集女に兵を率... |