新編弘前市史 資料編3(近世編2) 第6章 幕藩体制の動揺と民衆 【解説】 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 資料編3(近世編2) |
く諸要素について基礎構造に主眼を置いて項目立てを行った。第二項では、第一項の状況 に規定されて窮乏した藩財政が、大坂・江戸の諸銀主との関係から飢餓移出をせざるを得 ない状況にまで陥っていること、そして、知行の借... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第三節 蝦夷地警備と化政期の藩政 三 蝦夷地引き揚げと沿岸警備 (一)文政四年の警備引き揚げ 警備引き揚げとその背景 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
ークを示し一万両を越える額となっており、警衛体制が縮小していくにつれて減少を示し ている。一方、それを藩財政全体の面からみると、安永年間の藩財政と比較して文化・文 政期の藩財政には新たな財源がないため、藩財政の... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第二節 対外危機と寛政改革 二 寛政改革の実施 (一)改革意見書とその基調 毛内宜応の「秘書 全」 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
士財政の窮乏という二つの状況を克服しうるという点に集約できる。そしてこれらが克服 されることによって、藩財政そのものも好転し、理想的状況が開けるとする。農村状況は 次の四点に集約される。(1)廃田の増大、(2)... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第四節 天保の飢饉と藩政 二 藩財政の窮乏と流通統制 (一)藩財政の窮乏 文化~文政期の藩財政 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
天明の飢饉後も津軽弘前藩の藩財政は好転することはなかった。たとえば、寛政三年(一 七九一)には江戸・大坂の銀主に借金返済の繰り延べを依... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第二節 対外危機と寛政改革 二 寛政改革の実施 [[寛政改革の実施]] |
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と動員数を必要とする蝦夷地警備という新たな軍役負担に対応しなければならなくなった こと、これらによって藩財政の窮乏は一層の深刻化の様相を呈するようになったことを指 摘してきた。ここに、藩財政再建策のなかで、家臣... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第3章 幕藩体制の確立 第一節 確立期における藩政の動向 五 殖産政策と文教政策 林政の展開と漆木の栽培 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
業策の一つである。材木の造成は富国策の一つとしてとられたものであり、その目的は、 用材の領外払いによる藩財政の直接的補填を目的としたものと、木材の自給自足によって 藩財政支出の軽減を図るというものであった(筒井... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第3章 幕藩体制の確立 第三節 西廻り海運と上方市場 一 西廻り海運の発展~北国海運から西廻り海運へ 西廻海運による大坂廻米 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
ているのである。さきにみた、貞享四年(一六八七)に上方廻米量が五万石に設定されるこ とになった背景は、藩財政が自立性を失い、上方商人への金融面への依存度が強まったこ とによる。金主の数も年を追うごとに増加する傾... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第一節 藩体制の動揺 二 商品経済の展開と藩財政の窮乏 (一)廻米と借財 宝暦―天明期の借財 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
元とは蔵屋敷の管理に当たり、大名から廻米を中心とする「蔵物」の売却・出納をつかさ どった商人のことで、藩財政には不可欠の存在であった。これに対し、藩の公金の出納、 江戸や国元などへの送金に当たった商人を掛屋(か... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第一節 藩体制の動揺 三 乳井貢の登用と宝暦改革 (三)改革の諸政策とその展開 改革の終焉と成果 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
乳井貢を中心とする宝暦改革は、これまでみてきたように、藩財政の再建を第一の目的と して、領内における商業統制・通貨統制を図ることによって借財の整理をし、また綱紀粛... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第二節 対外危機と寛政改革 二 寛政改革の実施 (一)改革意見書とその基調 赤石安右衛門・菊池寛司の「覚」 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
除くべき三つの弊害があるとしている。(1)定免制(じょうめんせい)、(2)両都(江戸・上 方)銀主への藩財政の依存、(3)藩士の奢侈的生活、の三弊害である。そしてそれを解決す るために土着が必要だとする論理を展... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第二節 対外危機と寛政改革 二 寛政改革の実施 (三)藩士土着政策廃止をめぐる諸問題 土着策の展開と農村 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
ても、その生活が一定程度可能な状況にあったためであった。つまり、土着策によって藩 士の財政を自立させ、藩財政からの経済的分離を目指してはいたものの、切米取や金給家 臣については自己の開発地がその相当高に達するま... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第三節 蝦夷地警備と化政期の藩政 三 蝦夷地引き揚げと沿岸警備 (一)文政四年の警備引き揚げ 蝦夷地警衛が藩財政に残したもの |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
さきにも簡単に述べたが、蝦夷地警衛が藩財政に与えた影響は深刻なものがあった。この ような藩財政への影響は、以後の藩政に多大の影響を与える一因とな... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第4章 幕藩体制の動揺と民衆 第四節 天保の飢饉と藩政 二 藩財政の窮乏と流通統制 (一)藩財政の窮乏 幕末期の藩財政 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
から異国への防備の触れが出ていることを受けて、七ヵ年で赤字財政を整理する計画を立 てた(「安政初期津軽藩財政状況調」弘図八)。それによると、当時の同藩の平均的な収支 は米方の収入が一三万七五九二石、そのうち年貢... |
新編弘前市史 通史編3(近世2) 第6章 維新変革と藩体制の解体 第二節 戊辰戦争と弘前 五 箱館戦争と弘前藩 (二)藩財政の窮乏化 旧弘前藩の債務処理 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編3(近世2) |
でも金四九万一八五八両余と換算され、これも対歳入一〇九・四パーセントと超過してい る。こうしてみれば、藩財政はもはやまったく破綻しており、廃藩置県という政策断行以 前に藩体制は崩壊していたと判断できそうである。... |
新編弘前市史 資料編2(近世編1) 第3章 藩政の展開と思想 【解説】 |
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逆に、諸物価が高騰する経済状況が顕著となり、貢租収入が減少する反面、財政支出が増 大していったことで、藩財政は困窮の一途をたどることになる。そして、これに拍車をか けたのが、連年の不作・凶作であった。藩は、廻米... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 序 新編弘前市史 通史編2(近世1) 目次 |
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………………………396一宝暦・天明期の飢饉と農村…………………………………396二商 品経済の展開と藩財政の窮乏……………………………427三乳井貢の登用と宝暦改革…… ………………………………445第二節対... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第2章 幕藩体制の成立 第一節 徳川政権と津軽氏の動向 三 対幕府・公家関係の展開 公家との関係 |
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「北方辺境藩研究序説―津軽藩に課せられた公役の分析を中心に―」)。このように「合 力」についても困難な藩財政の影響が投影されている(近衛家への「合力」については、 瀧本壽史「陽明文庫蔵『近衛家雑事日記』(2)」... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第3章 幕藩体制の確立 第一節 確立期における藩政の動向 四 元禄九年の家臣召し放ちと支配機構の再編 元禄の大飢饉と家臣召し放ち |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
元禄八年十二月九日条)。藩では、当初下級家臣である扶持方の人々のみを対象とする知 行米削減措置によって藩財政逼迫を切り抜けようとしていたが、その範囲を権力の中枢を 担っている知行取層まで拡大せざるをえなくなり、... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第3章 幕藩体制の確立 第四節 信政以後の政治動向 一 信寿・信著・信寧の三代藩政の動向 近世中期の三人の藩主 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
多くは先代信政の政治路線の踏襲であり、寵臣佐藤著恒(さとうあきつね)を重用し、奢侈 (しゃし)に走って藩財政を窮乏に陥れたという評価もある(山上笙介『続つがるの夜明け 』中改訂新版一九七三年陸奥新報社刊)。享保... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第3章 幕藩体制の確立 第四節 信政以後の政治動向 三 農村構造の変容~凶作と飢饉 災害の続発とその影響 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
上笙介『続つがるの夜明けよみもの津軽藩史』中(1973改訂新版,陸奥新報社刊)より作成 。飢饉によって藩財政もダメージを受けた。寛延三年(一七五〇)、藩は、家中の知行・俸 禄の五割借上を命じた。藩財政の破綻によ... |