新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第一節 中世的北方世界の開幕 二 奥州藤原氏の登場と北方世界 北奥における建郡 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編1(古代・中世) |
奥に新体制を築いていった時代か、そのいずれかであろう。もちろん一方で、こうした急 激な建郡ではなく、Ⅲ平泉藤原氏の支配下で一二世紀に入ってから徐々に建郡されたとい う説にもなお成立の可能性はあり、学界での議論はいま... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第一節 中世的北方世界の開幕 二 奥州藤原氏の登場と北方世界 平泉藤原氏 |
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の娘を母にもつこの清衡ただ一人が二大豪族の継承者として残ったことが、鎮守府の実質 的な軍政権を継承し、平泉藤原氏の栄華を導き出す歴史的根拠となったのである。結果と してこの清原(のちに藤原)清衡が、清原氏の遺領陸奥... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 二 奥州惣奉行と津軽惣地頭 奥州惣奉行葛西清重 |
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平泉の膝下を形成する岩井・胆沢・江刺といった諸郡の総称であるなどといわれている。 いずれにしろ清重は、平泉藤原氏に代わる頼朝の現地代官として、陸奥国内御家人の統制 と平泉郡内の治安維持といった平泉藤原氏の職権を継承... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第三節 中世前期の宗教世界 一 古代における北奥の宗教世界 [[古代における北奥の宗教世界]] |
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いう。また、安倍氏と同様に「東夷之遠酋」あるいは「俘囚之上頭」というごとく、夷社 会の統轄者を自称する平泉藤原氏造営の中尊寺は、東北の諸政治・諸信仰・諸文化、もろ もろの祈りと願いとを一まとめにし、法華経を根本所依... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第一節 中世的北方世界の開幕 二 奥州藤原氏の登場と北方世界 奥大道と文物の流通 |
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後には、奥州の実力者であった安倍・清原・藤原氏と、境界世界外浜以北との深い交流が あったのである。さて平泉藤原氏は、奥大道や北上川水運などを整備することによって、 北方世界からの物産の調達、南からの文物の流入を可能... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 六 境界の地津軽と「東夷成敗」権、そして安藤氏 蝦夷か蝦夷の支配者か |
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の地においてどのように語られていたのかについては、これはかなり難しい問題である。 また安倍氏自身が、(平泉藤原氏のように自称したかどうかは別として)蝦夷の末裔(まつ えい)と考えられていたとしたら問題はさらに別にな... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第3章 古代蝦夷の時代 第二節 津軽の蝦夷と阿倍比羅夫の遠征 四 阿倍比羅夫「北征」 阿倍比羅夫の登場 |
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てまさに津軽は「北」と認識されていたのである。写真27『大日本国地震之図』のちに詳 しく触れるように、平泉藤原氏の時代のころに、津軽地方は陸路を通じての岩手方面との つながりが深まっていった。実際、津軽地方に郡が置... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第3章 古代蝦夷の時代 第五節 謎の一〇・一一世紀 五 エミシからエゾへ エゾ=アイヌ |
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である北方産品の入手に介入するようになる。そして郡郷制に編成されたかつての蝦夷の 地域の統治の実権を、平泉藤原氏による新政権に委ねたのである。その意味で平泉政権は 、中央の国家権力を現地で体現するものでもあった。安... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第一節 中世的北方世界の開幕 一 延久蝦夷合戦 延久蝦夷合戦と津軽 |
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のごとく延久合戦後の僧侶の移住、再興(事実上の創建)、住民を指揮しての開発といった 伝説をもち、さらに平泉藤原氏時代の正式な開山まで暗示させる山号を有しているのであ る。延久合戦をきっかけに開始された北奥地域の政治... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 一 文治五年奥州合戦 鎮守府将軍秀衡 |
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政権樹立を目指す源頼朝にとって、東北地方への勢力拡大は重大事であり、その最大の障 害は、いうまでもなく平泉藤原氏の存在である。初代の藤原清衡(きよひら)は陸奥国押領 使、二代の基衡は六郡押領使・出羽押領使に任じられ... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 一 文治五年奥州合戦 奥州合戦の勃発 |
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に七月十九日、鎌倉を出陣した。東国に軍事政権を確立しようとしている頼朝にとっては 、その最大の邪魔者の平泉藤原氏を除くのは、幕府成立の成否にかかわる重大問題である 。なぜなら奥羽二国に、院や平氏政権の支援によって成... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 一 文治五年奥州合戦 阿津賀志山の防塁 |
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これに対して平泉藤原氏側は、奥大道の交通の要衝、陸奥国伊達郡阿津賀志山(あつかし やま)(福島県国見町)に、延べ二五万人にの... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 一 文治五年奥州合戦 泰衡の死 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編1(古代・中世) |
年合戦の安倍貞任の例にならって長さ八寸の鉄釘でそれを獄(ごく)にかけたという。ここ に奥州合戦は終り、平泉藤原氏は滅亡したのである。なお河田次郎も主君に対する譜代の 恩を忘れたとの責めを負わされ、斬罪に処せられた。... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 二 奥州惣奉行と津軽惣地頭 津軽惣地頭宇佐美実政 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編1(古代・中世) |
こうして平泉藤原氏の滅亡後の体制整備が進むなか、本州の最北辺にして海運上の要衝で もある津軽地方の鼻和・平賀・田舎三郡(... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 三 得宗領としての津軽 津軽氏の系譜と唐糸御前 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編1(古代・中世) |
写真109)などには、先に触れた「唐糸草子」の所伝が取り込まれ、それが強引に北条時頼 とつなげられて、平泉藤原氏の子孫であることを主張する自らの系譜認識のなかで、家格 の上昇に一役買うこととなっている。もちろん、こ... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽 六 境界の地津軽と「東夷成敗」権、そして安藤氏 安藤氏の所領 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編1(古代・中世) |
すでに詳しく見たように、平泉藤原氏が滅亡すると、奥羽両国は鎌倉幕府の支配下に入り 、頼朝によって多くの鎌倉武士が奥羽に地頭・地頭代として... |
新編弘前市史 通史編1(古代・中世) 第4章 中世前期 第三節 中世前期の宗教世界 三 北奥宗教界の中世的転回 [[北奥宗教界の中世的転回]] |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編1(古代・中世) |
鎌倉前期の幕府は、奥州平定に絡(から)む源義経・平泉藤原氏一族の討滅に流した非情の 血を想念してか、その東国の血を手厚く鎮魂供養すべき禁忌の地ととらえることが多... |
新編弘前市史 通史編2(近世1) 第3章 幕藩体制の確立 第四節 信政以後の政治動向 二 「津軽一統志」の編纂 「津軽一統志」以降の修史事業 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 通史編2(近世1) |
ば、奥州藤原氏と安倍氏との血縁関係が存在する以上、安日に行き着くことは当然で、結 局津軽家は、最後まで平泉藤原氏を遠祖とする系図を幕府に提出することはなかった。無 論幕府との間に摩擦を避けようとする意識もあったろう... |
新編弘前市史 資料編1(考古編) 第3章 古代 第3節 飛鳥・奈良・平安時代 1.各時代の概観 (4)12世紀代 |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 資料編1(考古編) |
ほとんどが津軽地方のものであり、県南地方では2遺跡しか発見されていない。中でも、 弘前市中崎館遺跡は、平泉藤原氏の政庁跡とされる柳之御所跡との関係が極めて強く認め られる点で注目される。このほか、行政区域的には秋田... |
新編弘前市史 資料編1(考古編) 第3章 古代 第3節 飛鳥・奈良・平安時代 3.古代の生産活動と生活用具 (4)漆器・木器生産 [[漆器・木器生産]] [[漆器・木器生産]] |
弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍 資料編1(考古編) |
跡のなどで、共伴する土師器・須恵器は11世紀のものである。なお、輪高台を持つ漆器は 、12世紀代の奥州平泉藤原氏関連の柳之御所跡をはじめとして数多く出土しており、漆器 生産が一層活性化したことを物語っている。表5青... |