さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)
索引語一覧

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

(*) 関連一致あり


アーケードに 雨降る街の(*)
雲の 六〇
相会はぬ 年月に何を(*)
形成 四三・一一
相合はば またかなしみは(*)
形成 四六・八
相容れぬ 思想をもちて(*)
朱扇 二五・八
逢ひがたき 日を重ねつつ(*)
野分 八九
会ひがたき 人となりたり(*)
野分 一一八
会ひがたき 人の名を新聞に(*)
花溢 一〇二
会ひがたき 人のみにして(*)
印度 一七
哀歓と 愛情を織りて(*)
わかなつむ歌
哀歓に 照り陰りては(*)
歌と随筆 二二・四/五
愛されて ゐると知りたる(*)
朱扇 二七・三
愛情の あやしき変異も(*)
回顧一年
愛情も 既に生活を(*)
朱扇 二五・一一
愛情も たゝかひなりき(*)
おもひで
アイスケーキを 買ひて与へむ(*)
印度 一一五
愛憎の きざすを癒ゆる(*)
雲の 一三一
逢ひたしと 囁くごとき(*)
朱扇 二七・六
相ともに 生きがたかりし(*)
歌と随筆 二四・六
相ひ觸れて 鳴れる木の葉の(*)
歌と随筆 二一・八/九
曖昧に ゐるわれを措(お)き(*)
雲の 三六
あいまいに 言はれしのみに(*)
光た 九二
アイリスを 活け替へをれば(*)
風の 一〇一
愛隣の 思ひ烈しき 極まりに 夫はげきして(*)
歌と随筆 二四・六
愛隣の 思ひ烈しき 極まりに はゝは泣きつゝ(*)
わかなつむ歌
愛隣の 夢は断たまく(*)
びわの花
愛恋は かくまざまざと(*)
埼玉新聞 四五・一
アイロンの コードにつまづき(*)
風の 八三
アイロンは 忽ち灼けて(*)
野分 一三三
逢ふこゝろ こむすめのごと(*)
わかなつむ歌
青々と 芽ぶく柳の(*)
形成 六三・七
あをあをと 茹でし春菊を(*)
風の 一三四
青鬼は 少しおどけて(*)
花溢 一九七
青柿を 拾へば土の(*)
花溢 一四六
青木の実 葉がくれに照る(*)
花溢 四五
仰ぎゐる 角度のゆゑか(*)
短歌研究 四八・六
仰ぎ見て 今朝は新し(*)
朝日新聞 四七・一
仰ぎ見る 思ひも日々に(*)
形成 三四・七
仰ぎ見る 紅梅一樹(*)
形成 六一・七
仰ぎ見る ステンドグラス いつの日も(*)
花溢 二三
仰ぎ見る ステンドグラス 使徒の手の(*)
文芸埼玉 四四・一一
青胡桃 握りてをれば(*)
雲の 二一
青胡桃の 匂ふひとつを(*)
無数 一六三
青白き 馬が炎えつつ(*)
短歌 三九・三
青白く 燃えたつ花と(*)
花溢 一七一
青墨を 磨るときの香に(*)
風の 一三三
青竹の いたく太きを(*)
風の 八〇
青みさす 雪のあけぼの(*)
雲の 二二二
蒼みゆく 花浮かべつつ(*)
形成 三二・一〇
仰向けに 運ばれむとし(*)
花溢 一七五
仰向けの 髪つくづくと(*)
花溢 二一二
煽られし 楽譜を拾ふ(*)
無数 一一二
赫々と 上る初日に(*)
むろ咲きの菜種の花の
あかあかと 昼もともして(*)
風水 一三一
赤鉛筆を 削るかたはら(*)
雲の 七三
赤き緒を 垂るる喇叭の(*)
花溢 一八六
赤錆びの 砂漠ばかりを(*)
風水 一三二
あがなはむ 咎もあるべし(*)
野分 一九四
赤べこの 首を揺らして(*)
風の 一五六
赤松の 幹に斜に(*)
雲の 二二八
赤松の 水際(みぎは)の一木(ひとき)(*)
無数 二一二
あがりたる 雨と思へど(*)
形成 平二・七
空(あき)家(いへ)と なりてひひらぎ(*)
不文 一一八
空き罐に 太き雨降り(*)
無数 二〇〇
秋草を 手向けて遠く(*)
林鐘 三二・一〇
秋草に うもれて返り(*)
まぼ 六九
秋草の 枯るる匂ひの(*)
風水 二一八
秋草の さやぐ音して(*)
埼玉新聞 四四・一〇
秋草の 花のかそかに(*)
埼玉新聞 五一・八
秋雨の 音はさみしも(*)
春のゆき
秋づける 日々雲の層(*)
不文 七九
秋の来て いち早く手を(*)
花溢 一〇五
秋の日の 澄み徹りゐる(*)
風水 五九
秋の日は 傾きそめぬ(*)
郵政 五九・八
秋の服に 合はせて買ひし(*)
風の 一五四
秋の夜の 炭火匂ひて(*)
花溢 六三
秋陽かげる その野﨑路に(*)
寂天莫地
秋陽よき 野路を行きつゝ(*)
寂天莫地
空き壜の 残りはさかさに(*)
野分 五〇
秋ふかき 山の温泉(いでゆ)に(*)
春のゆき
あきらめて ゐたるいのちを(*)
形成 平五・六
諦めて ゐるとも言ひぬ(*)
朱扇 二五・七
諦めて なすこととなさぬ(*)
花溢 一五六
あきらめて 眼鏡拭きをれば(*)
形成 六〇・四
あきらめて 刃(やいば)入れたる(*)
雲の 一九九
諦めて 別るるすべも(*)
まぼ 一二九
あきらめて 忘れて今は(*)
風水 一四〇
諦めとも 満足ともつかぬ(*)
まぼ 一三七
あきらめの いやはてにして(*)
寂天莫地
諦めの 中にも安息は(*)
朱扇 二五・七
あくがれて 太古の民も(*)
歌と随筆 二一・八九
芥とも あらずときをり(*)
印度 一四
芥焼きし 跡を見廻り来て(*)
まぼ 九五
胡座居の 膝の冷たく(*)
形成 平四・四
悪霊(あくりやう)を 逐(お)はむ願ひは(*)
無数 一四〇
悪霊を 払ふがごとく(*)
野分 一八三
握力の にぶくなりつつ(*)
野分 三〇
握力の 不意にゆるみて(*)
花溢 一八三
あくる日の 仕事のことを(*)
風水 一三六
あくる日の 職場に問へど(*)
花溢 七六
明け方に かけてあまたの(*)
光た 一三〇
あけがたの 眠りに浮きて(*)
花溢 二三一
明け方は 霧深からむと(*)
不文 二五
あけぐれに 醒めゐて思ふ(*)
風水 一五七
明けそめて 沼のほとりの(*)
風水 二四二
あけびの花の 芯の黒まで(*)
雲の 二二八
あけぼのの 光の中に(*)
ラ・メール六一春
明けやらぬ 森を騒立(さわだ)て(*)
無数 一四三
顎埋めて ゐたりし犬の(*)
形成 六三・二
あこがるる 言葉とぎれて(*)
花溢 三七
あこがれて 言へどコスモス(*)
形成 平三・二
朝明けて 白布に顔を(*)
雲の 七三
朝々に 活け直しをれば(*)
光た 一一五
朝々に 格言を読みて(*)
光た 三五
朝市の 帰りに人の(*)
形成 元・一一
朝おそく 覚めて花の(*)
はるの虹
朝がたの 眠りに浮きて(*)
現代 四四・一一
浅き瀬に 何のひそむや(*)
印度 一三
浅き瀬の さざなみ光る(*)
まぼ 一五六
朝霧を 透かして山の(*)
風水 三八
朝霧に ともしてバスの(*)
野分 一六〇
朝霧の 底より翔(た)つと(*)
現代 四四・一一
浅草文化に なづみ易き土地の(*)
まぼ 五七
朝寒は きびしかりしも(*)
むろ咲きの菜種の花の
朝摘みの 蚕豆をむく(*)
光た 一〇八
あさつゆに ぬれ/\かゞよふ(*)
春愁の曲
痣(あざ)として 顔に残ると(*)
雲の 九六
あさなぎの しづかなしづかな(*)
春のゆき
朝な夕な 秋のけはひの(*)
はつあきの歌
麻布(あさぬの)を 被へる夜の(*)
不文 一一三
あさはかに 振舞ふゆゑか(*)
まぼ 一三一
朝晴れぬ ぼたんざくらの(*)
春愁の曲
浅間颪(おろし)に 吹きさらされむ(*)
朱扇 二八・一
浅間嶺の 麓の村の(*)
形成 平元・九
あざむかれて 舎の幹は(*)
はるの虹
あざむきて 君いざなふに(*)
はるを待ちつゝ
あざむきて 吾を曳かれし(*)
春のゆき
欺けるもの 皆滅びよと(*)
形成 四五・一
朝靄の いまだなづさふ(*)
不文 九八
あざやかな 斑(ふ)を持つ蝶を(*)
無数 二〇五
あざやかに 朱線を引きて(*)
花溢 三九
朝焼けの 美しき日々(*)
不文 一四五
朝焼けの 空に匂へる(*)
歌と随筆 二三・五六
朝夕に 通ひ慣れつつ(*)
無数 二二六
朝夕の 電車に過ぎて(*)
雲の 五九
朝よりの タイプに倦めば(*)
花溢 二〇七
脚赤き ゆりかもめ一羽(*)
形成 平二・四
芦を刈る 人の背後を(*)
短歌研究 四七・一〇
足音の 家をめぐると(*)
雲の 二一六
足(あし)環(くわん)を 光らせて鳩の(*)
無数 二〇三
足首を 吹く風寒く(*)
形成 四三・五
足首の 濡れて歩めば(*)
雲の 一四一
味気なく 仕事なすとき(*)
形成 四四・三
紫陽花の 植込みを濡らす(*)
毎日新聞 六〇・六
紫陽花の 茂みをゆらり(*)
風水 二四三
紫陽花の しげみのかなた(*)
印度 五六
あぢさゐは うすくれなゐの(*)
花溢 一五一
あした着る 衣服確かめ(*)
風の 八三
朝(あした)より 落ち葉しやまぬ(*)
雲の 二〇
朝(あした)より きざす寂しさ 繊切りの(*)
不文 一三三
朝(あした)より きざす寂しさ ちぢまりて(*)
短歌研究 四一・一
足垂りて リフトに昇り(*)
風水 一八四
足垂れて 鈍色(にびいろ)の烏賊(*)
花溢 五五
足取りを 追ひて思ひて(*)
形成 平五・七
足どりの 乱れて歩み(*)
不文 一二
脚長き 人々の来て(*)
現代 四四・一一
脚の位置 定めて眠り(*)
短歌研究 四二・三
芦の穂の 乱れてそよぐ(*)
形成 四二・九
葦の間(ま)を ゆるく流れて(*)
花溢 八五
足もとに 降り積む雪を(*)
雲の 八
足もとの 石の割れ目を(*)
現代 四四・一一
足もとの 今淵なせり(*)
風水 四〇
足もとの 枯れ草に火を(*)
野分 五三
足もとの 砂冷えて来て(*)
まぼ 一四
足もとより 崩るる思ひ(*)
不文 一三二
足悪き 友が必死に(*)
まぼ 一七一
明日ありと 思はれずゐる(*)
光た 一四一
明日からの 筋書を書き(*)
野分 五五
小豆ほどの 蕾なりしが(*)
形成 六一・七
明日知れぬ いのちを生きし(*)
埼玉新聞 四四・一一
明日知れぬ 木の葉の如き(*)
埼玉新聞 四五・一〇
明日知れぬ 街の夕べに(*)
びわの花
明日といふ 日を疑はず(*)
風水 二一六
明日のことを 言ひて眠りき(*)
雲の 七四
明日のため 何占はむ(*)
花溢 二六
明日の日に 期する思ひは(*)
はるの虹
明日の日も 知れざるものを(*)
埼玉歌人 平四・一〇
明日の日を 怖るる要など(*)
風水 一九〇
明日の夜に なさむ仕事を(*)
雲の 九一
明日の夜は 君にいだかれ(*)
おもひで
明日ゆくと いひし視線の(*)
びわの花
明日よりは いづこの街の(*)
びわの花
明日は明日の 風が吹くとふ(*)
まぼ 一五一
明日は来む 友ら思ひつつ(*)
まぼ 二一
明日は休み と思ふ家路に(*)
形成 四六・一一
アスファルトの 路上につきゐる(*)
印度 九五
アスワン・ダムの 貯水量など(*)
野分 一〇九
汗あえて 通ふといへど(*)
風水 一二二
汗あえて 草抜き呉るる(*)
形成 平二・一〇
あせび路を あゆみて帰る(*)
夕ぐれの歌
汗拭きつつ 戻れる君が(*)
形成 三一・八
遊びたき 仔犬せかして(*)
短歌研究 四二・三
仇を討つ 思ひいつしか(*)
光た 三三
仇を討つ ごとき思ひに(*)
風の 八二
あたたかき 雨となりたり(*)
雲の 五九
あたたかき 雨となりたる(*)
朱扇 二六・八
あたたかき 雨降り出でて(*)
花溢 四〇
温かき 汁などを煮て(*)
まぼ 一四二
あたたかき 砂踏みゆけば(*)
花溢 七四
あたたかき 手よといはれし(*)
形成 三八・一二
あたたかき 計らひのごと(*)
無数 六一
あたたかき 夕べを帰る(*)
風水 二三八
あたたかき 夜霧のかなた(*)
野分 一八七
あたたかく 心觸れ合ふ(*)
まぼ 一二八
あたたかく 雪を被(かづ)ける(*)
花溢 二二
あたたかく 吾らを迎へ(*)
回顧一年
あたためし ナイフもてパイ(*)
形成 三九・一一
あたためし ミルクがあまし(*)
花溢 一五七
頭の皮膚の 痛み来れば(*)
まぼ 一〇九
あだめきて タンゴ舞ひたき(*)
歌と随筆 二四・六
新しき 家といふとも(*)
野分 一七七
あたらしき 絵絹を張りて(*)
はるのワルツ
新しき 木鋏鳴らし(*)
無数 三六
新しき 黒もて黒を(*)
雲の 一六八
新しき 幸に赴く(*)
形成 三二・八
新しき 塩を掬ふべき(*)
野分 八七
新しき 絨毯が放つ(*)
花溢 一〇二
新しき 銃と霰弾(*)
無数 二八
新しき 職域のなか(*)
風水 一〇一
新しき 叙勲の文字を(*)
花溢 一〇一
新しき 女性キャスター(*)
風の 一七一
新しき 巣箱かけしは(*)
郵政 五八・三
新しき 年を祝ふと(*)
風の 六二
新しき 鳥籠に移し(*)
形成 六一・三
新しき 白布机に(*)
無数 一七二
新しき パナマのクッション(*)
野分 九二
新しき 町の名を人は(*)
花溢 八一
新しき 持ち場に慣れて(*)
風水 二二
新しき 油紋の浮ける(*)
短歌研究 四一・一
新しく 敷かれし砂利の(*)
無数 一四一
新しく 塗り直されし(*)
花溢 一九六
暑き夜に 見し夢のなか(*)
風水 一〇八
暑き夜の まどろみに見る(*)
形成 五一・九
あっけなく 終らむものを(*)
雲の 一六五
圧点を 知られしごとき(*)
短歌研究 三七・八
集まりて 降るにもあらね(*)
風の 一〇一
集め毛糸の 脚絆なれども(*)
まぼ 一五三
あてのなき 約束させて(*)
雲の 一〇〇
後肢を 曳く感じにて(*)
花溢 八九
あと一年は 着ねばならぬコート(*)
まぼ 七七
アドバルン 上げ終へし人ら(*)
花溢 一八六
柱像(アトラント)の 双手(もろて)が支へ(*)
無数 二五
足裏に 踏むものなべて(*)
短歌新聞 五一・八
あなうらに 未だ響きの(*)
風水 二二七
蹠(あなうら)より 冷えくる夕べ(*)
まぼ 一一六
あなさやけ あなやうるはし(*)
むろ咲きの菜種の花の
姉の如く 告白を聞きて(*)
まぼ 一四六
あばかるる 咎もあらむか(*)
埼玉新聞 四五・一一
阿武隈の 水照れ見れば(*)
無数 一〇三
油絵の 岬は遠く(*)
短歌研究 四一・一
油菜は 青き実莢(みざや)を(*)
無数 三四
あふれくる 思ひさゝへて 揺られゆく(*)
はるを待ちつゝ
あふれくる 思ひさゝへて 奈良坂や(*)
はるの虹
雨あとを よぎる薔薇園(*)
雲の 三四
雨あとの 刈り田に漂ふ(*)
不文 八〇
雨あとの しづくの音を(*)
雲の 二一〇
雨あとの 雫をおとす 黄櫨(はじ)の葉を(*)
花溢 一〇七
雨あとの しづくをおとす 松を見て(*)
雲の 八六
雨あとの 土の匂へる(*)
まぼ 三一
雨あとの 光のなかに(*)
花溢 一二〇
雨あとの 光みなぎり(*)
風水 一九九
雨あとの 微粒を帯びて(*)
雲の 一六七
雨あとの 靄たつ坂を(*)
無数 二一九
雨あとの 靄流れつつ(*)
無数 一一八
雨あとの 靄晴れゆけば(*)
林鐘 三二・一〇
雨あとは 虫の祭りの(*)
風水 二三七
甘えゐし 心吹っ飛び(*)
形成 三七・一
甘えむ相手を 持たぬ身の朝より(*)
まぼ 八三
あまがけり しら/゛\とゆき(*)
はるのワルツ
雨傘を 打つ音に似て(*)
野分 四一
雨傘を 持たせて帰し(*)
雲の 二二九
雨傘に 身を庇ひつつ(*)
野分 五八
甘かりし わが人生観が(*)
まぼ 一四五
雨乞ひの 太鼓の音の(*)
風水 八
雨乞ひの 太鼓夜すがら(*)
形成 三三・9
余すなく 咲ける桜を(*)
印度 四七
甘酸ゆき 香のこもりゐむ(*)
まぼ 八九
雨だれの 曲にかはりて(*)
形成 平四・一二
「蜑(あま)」といふ 字をかなしみて(*)
形成 平三・一一
あまりにも 美しかりし(*)
びわの花
アマリリスの 花の香にふと(*)
まぼ 一三六
編みさしの まま夏を越せ(*)
不文 一一九
編み棒の 先もて髪を(*)
花溢 一一九
編みものを 教へて暮らす(*)
無数 一三八
飴いろの コーヒーシュガー(*)
風水 七八
アメーバの やうな一枚(*)
雲の 一三
雨を見つゝ そろひもじかに(*)
はるの虹
雨をんな なるを思へば(*)
印度 一三五
雨しぶく ホームに立ちつく(*)
不文 六一
あめつちに 吾一人ゐて(*)
浜のあけくれ
天地(あめつち)は 緑ゆたかに(*)
春愁の曲
雨となる けはひを言ひて(*)
雲の 二〇二
雨となる けはひに昏れて(*)
不文 一二
雨ながら かすかに虹の(*)
印度 一五三
雨に暮るる 庭の片隅(*)
雲の 四五
雨にけむる 海見ゆる窓(*)
花溢 六九
雨のあと 必ず最後(*)
風の 四一
雨のあと 著莪は花咲き(*)
短歌研究 四八・六
雨のあと 虹立つといふ(*)
印度 八二
雨のあとの 街に湧きたつ(*)
風水 一一四
雨の音 聴きつつ夜半を(*)
まぼ 三〇
雨の音に 取り巻かれゐ(*)
雲の 九三
雨のなかに 赭(あか)く錆びゆ(*)
無数 三二
雨のなかに 花咲ける日は(*)
花溢 六一
雨のなかに 人を待たせ(*)
花溢 一九三
雨のなかの マラソンコース(*)
風の 二九
雨のなき 数日すぎて(*)
風の 八一
天(あめ)の果て 地のはてまでも(*)
はるを待ちつゝ
雨のはれまの あかるき(*)
風水 四六
雨の日の 卯の花を見て(*)
印度 五八
雨の日の 津和野はわれの(*)
風水 一三四
雨の日の 電車といへど(*)
短歌研究 六一・七
雨の日の 窓に羽叩き(*)
オレンヂ 二二・一
雨の夜の 垂直世界を(*)
風水 一〇三
雨の夜の 冷ゆる空気を(*)
野分 六二
雨の夜の ロビーに待てば(*)
短歌研究 四五・八
雨の夜は 雨の音にも(*)
短歌新聞 四八・一
雨の夜は 眠れぬわれと(*)
印度 一五四
雨ふれば あぶるる彼の(*)
形成 三三・三
雨ふれば 大き石まろぶとふ(*)
夕ぐれの歌
雨やめば また風となり(*)
雲の 一二三
アメリカの イーグル金貨(*)
風の 三七
危ふげに 歩みて出でし(*)
わかなつむ歌
あや多き 明日を期しける(*)
回顧一年
あやつりの 糸のもつれて(*)
印度 二七
あやとりを してゐし夢に(*)
印度 五二
あやまたず 雁は帰るや(*)
不文 一一五
あやまたず 白の子山羊が(*)
光た 一〇六
過(あやま)たむ 予感鎮めて(*)
不文 一四二
歩み疲れ 虚心に立てる(*)
はるのワルツ
歩みつつ 振り返る視野(*)
不文 一〇
歩むこと やめて見をれば(*)
雲の 八三
洗ひおきし 葡萄は露を(*)
野分 六〇
洗ひたる 髪を垂らして(*)
花溢 九六
洗ひたる 髪凍らせて(*)
無数 一三六
洗ひたる 髪にドライヤーを(*)
形成 六二・八
洗ひたる 小皿を棚に(*)
無数 二二八
洗ひたる 皿のたちまち(*)
印度 一四八
洗ひたる 葱の白さに(*)
風の 一四八
洗ひたる ハンカチに滲む(*)
朱扇 二五・八
洗ひたる レースの花を(*)
野分 七七
あらかじめ 人の寿命は(*)
風水 一一七
あらかじめ 笑ひの皺を(*)
花溢 一一七
粗壁(あらかべ)の まま入りて住む(*)
無数 一七五
抗(あらが)はず 無気力になりて(*)
まぼ 一四八
あらくれに まじりて吠えて(*)
光た 一四二
嵐のあとの 雲ゆるやかに(*)
花溢 一三
嵐吹き はれて入り江に(*)
浜のあけくれ
「アラスカの やうに淋し」と(*)
林鐘 三二・一〇
争ひつつ 既に離れ難き(*)
朱扇 二六・五
争ふとも 相擁くとも(*)
形成 三三・七
争はぬ 性(さが)持てる身の(*)
花溢 一二
あらだてる 海と思ふに(*)
短歌研究 四一・一
新たなる 歓びわけと(*)
回顧一年
あらたまの きらり氷柱(つらら)の(*)
風の 一七二
荒縄を 帯に巻けるも(*)
風水 一九
荒濱や 太平洋の(*)
浜のあけくれ
アララギに 二つのりゐし(*)
朱扇 二七・一〇
あらはなる 飢餓を見せつつ(*)
不文 八五
あらはなる 寓意をうとみ(*)
不文 一七〇
あらはなる よろこびに似む(*)
風水 四三
あらはれし ものゝかたちの(*)
はるのワルツ
ありありと 後れゆく身を(*)
林鐘 三二・一〇
蟻地獄 探しゐて出口を(*)
花溢 二一六
在り馴れし ひとりの夕餉(*)
印度 一四四
ありのままを 言ひしかばまた(*)
まぼ 一二二
ありのままを ゑがかうとせぬ(*)
風の 一七三
ありやうは ほとけといふに(*)
形成 六三・四
あるを願ひ あらぬを知りて(*)
風水 五六
あるかなき 花のにほひも(*)
はるの虹
歩き疲れて 土間に卵を(*)
無数 八九
或る時は むごくも聞ゆ(*)
まぼ 八二
或時は 無視さるる嫁の(*)
朱扇 二五・九
アルバイトより 帰れる妹(*)
まぼ 三九
アルプスも 春近しとぞ(*)
雲の 一九六
アルフレッドと 心に呼びゐて(*)
まぼ 一六
あるまじき 一夜一夜を(*)
野分 一七五
あるまじき ものと思へど(*)
野分 一一一
アルミ箔の 用途の一つ(*)
野分 八五
ある宵は 崩れも果てんと(*)
歌と随筆 二一・八/九
荒れやすき 会話の中に(*)
形成 四二・九
アレルゲンと 今は知りたる(*)
風の 七一
あは/\と 霧はふ谷合ひ(*)
春愁の曲
あはゝゝと けぶる銀河を(*)
びわの花
あわあわと 漂ふ雲の(*)
歌と随筆 二一・五
淡色(あはいろ)の みどりのりぼん(*)
はつあきの歌
淡(あは)き黄(きい) ゆたかに咲ける(*)
春愁の曲
合はせたる グラスの音の(*)
風の 六八
合はせねば 合はぬ歩調の(*)
不文 一四
泡だてて 手を洗ふなり(*)
雲の 九八
周章てゐし とき静かなる(*)
短歌研究 四五・八
あわてずに 処置なししこと(*)
雲の 一三八
逢はなとて 神ならぬ身の(*)
春のゆき
会はぬまま 四十年か(*)
光た 四〇
会はば手を とりて泣かむなど(*)
形成 三一・六
逢はばまた 心は亂れむ(*)
まぼ 八三
逢はむための てだて選ばぬ(*)
現代短歌シンポジュームテキスト 三八・四
あは雪を 降らせてゐるは(*)
花溢 六二
あはれかの 奈良のそのゝ(*)
びわの花
アンカットの まま重ねおく(*)
まぼ 五二
暗渠より まろび出でたる(*)
印度 一〇一
暗号の やうに朝鮮語を(*)
形成 三一・一二
暗黒の 空にありたる(*)
風水 二四
アンダルシアの 野とも岩手の(*)
まぼ 二四
安否さえ 問ふよしもなき(*)
印度 八九

居合はせて 見てしまひたる(*)
風水 一六
言ひ出づる ことにあらねど(*)
印度 一二九
言ひ出でて 歎くことにも(*)
風水 二〇
言ひおほせて 何あらむかと(*)
風水 二〇八
言ひかはす 言葉は凍てて 一本の(*)
短歌新聞 平四・四
言ひ難き 思ひなるべし(*)
短歌研究 平二・一
言ひしれぬ おもひほのかに(*)
むろ咲きの菜種の花の
言ひつのる 口もとを見て(*)
形成 五七・三
言ひ抜けむ すべなきときに(*)
花溢 一九九
言ひ譯のみ する生活に(*)
まぼ 一三〇
言ふにたへぬ 諍かひありて(*)
はるの虹
家を置き 田畑を沈め(*)
雲の 一八六
家をめぐる 松葉牡丹の(*)
浜のあけくれ
癒えかけて 引き返す感冒(かぜ)(*)
無数 一八七
癒えがたき 風邪なりしかど(*)
風水 二二五
癒えがたき 人と知るゆゑ(*)
花溢 九一
癒え切らぬ 身かと日傘を(*)
不文 三五
癒えしとふ あかしもなくて(*)
風の 六九
癒えし身に 醒めゆく思惟の(*)
不文 四二
癒えそめし つまの寝息の(*)
回顧一年
癒えそめの 心楽しも(*)
歌と随筆 二四・六
癒え近き 風邪と思ふに(*)
花溢 七五
家づとに 絵蝋燭買ひ(*)
印度 八七
癒えて再び この病院を(*)
印度 二五
家並みを 貫きて通る(*)
風の 一八八
家にゐて 職場にありて(*)
雲の 二六
家にゐても 最小限に(*)
朱扇 二五・一一
癒えにくき 病ひ庇ふと(*)
形成 四五・一
家に待つ 仕事思ひて(*)
風水 三七
いかならむ 賭けに敗れて(*)
無数 一七一
如何ならむ 過去の苛(さいな)み(*)
花溢 五八
如何ならむ 反証も今は(*)
不文 一八〇
如何ならむ 人の出入りに(*)
不文 一五〇
如何ならむ 日にか描きし(*)
不文 一三一
いかならむ 未来をわれに(*)
無数 三七
如何ならむ 薬種か入れし(*)
無数 一三
いかなる家の 建ちゆくならむ(*)
まぼ 一五六
いかほどの 時間がたちて(*)
風の 二四
いかほどの 願ひ叶ふと(*)
短歌研究 四一・一
いかほどの よろこびあらむ(*)
現代 四四・一一
怒ること 少なきわれか(*)
花溢 一八九
いきいきと 海の色香を(*)
形成 三八・七
いきいきと レジ打つさまに(*)
風水 一七六
勢ひは かく美しき(*)
埼玉新聞 六一・一
生きをれば 嘆くことのみ(*)
印度 四六
生き死にも さだかならぬに(*)
野分 三六
息絶えて しばしがほどに(*)
短歌公論
息詰めて 吹けば鋭く(*)
無数 七五
息つめて 見つむる如き(*)
朱扇 二七・六
息詰めて 向ひ風に堪ふる(*)
まぼ 九七
生きてあらば いかに歎かむ(*)
雲の 一一三
生きて又 会ふ日の無しと(*)
形成 平三・一一
生きてゆく 幅を少しでも(*)
まぼ 九
憤り 烈しかりしが(*)
歌と随筆 二四・六
憤り 烈しき時に(*)
歌と随筆 二四・六
いきなり 目隠しされて(*)
短歌 四七・四
生き悩む 人等の気配(*)
春のゆき
生き残る ことのさびしさ(*)
雲の 一一六
生き残る 者のさだめに(*)
野分 八五
生きものを 飼ふすべもなき(*)
野分 六九
生きものの 何かがゐたる(*)
風水 一六八
息を呑み 立ちどまりたり(*)
埼玉新聞 四八・一
幾重にも かかれる橋の(*)
風水 二三
幾重にも 鏡に映る(*)
形成 五八・一
戦(いくさ)にて 中止となりし(*)
光た 四三
幾時(いくじ)ごろかと 思へるのみに(*)
雲の 一二四
幾十年 静かに生ける(*)
夕ぐれの歌
幾種かの 罐詰をひそかに(*)
朱扇 二六・一〇
幾千と 知れぬ水鳥(*)
形成 六〇・一
幾たびか 草の穂絮(ほわた)の(*)
不文 八四
いくたびか 雲のかげゆく(*)
不文 一一五
幾たびか 逆らひては泣く(*)
歌と随筆 二四・六
幾たびか シグナルに夜の(*)
形成 三五・六
幾たびか 夜霧の原に(*)
無数 一八三
幾たびの 風邪を売薬に(*)
花溢 三九
いくたびの 霜にやはらぐ(*)
短歌 六二・二
いくたびの ひとりねの夢(*)
春のゆき
いくたびも 浅瀬を渡る(*)
形成 五一・四
幾たびも かけかへられし(*)
風の 一九
いくたびも 斬り合ひをせしが(*)
光た 一五六
いくたびも 仕事を替へて(*)
風水 一一五
いくたびも 沈みては浮く(*)
花溢 一二九
いくたびも シテの如くに(*)
形成 六〇・一
幾たびも 誰何(すいか)せるあと(*)
雲の 一四三
いくたびも 地図をひろげて(*)
花溢 一〇五
いくたびも 月さす海を(*)
不文 七七
幾たびも 電話に呼ばれ(*)
風水 一五三
幾たびも 電話を聞きに(*)
花溢 四九
幾たびも 背後かすめて(*)
現代 四四・一一
いくたびも 早馬が駆けて(*)
光た 七七
幾たびも 兵火に落ちし(*)
埼玉新聞 四六・八
いくたびも 見たる鳥あり(*)
形成 平二・九
いくたりを 見送りにけむ(*)
形成 五九・五
幾たりに 愛されて吾や(*)
わかなつむ歌
幾通の 原稿依頼(*)
形成 三一・一
幾月か 空き家となりて(*)
形成 五九・九
幾つにも かさなりて見ゆる(*)
現代 四四・一一
幾つもに 音を区切りて(*)
風の 九六
幾つもの 印章を委(ゆだ)ね(*)
不文 一二三
幾つもの トンネルを抜けて(*)
形成 五七・八
幾つもの レンズかさねて(*)
花溢 八九
いくときを 書よみつぎて(*)
むろ咲きの菜種の花の
いくときを 弾き続けつゝ(*)
ひとり生きたし
幾ときも たたざるものを(*)
形成 六一・九
幾年を 枯れがれにゐて(*)
雲の 九三
いくとせを 君と貼り来し(*)
まぼ 八二
幾年の 曲折を経つつ(*)
形成 二八・一〇
幾日をか なべてをやりて(*)
はるの虹
幾日か 炊がず過ぎて(*)
風水 七七
幾日か 咲き保ちたる(*)
林鐘 三二・五/六
幾日経て 届く賀状の(*)
形成 六三・五
幾日経て よぢれし葉書(*)
形成 四五・一一
幾日目かに 探し当てて友が(*)
不文 一六
幾日も 帰らず富士の(*)
光た 一四七
幾日も 帰らぬ夫に(*)
まぼ 一一三
幾日も かけて縫ひやりし(*)
まぼ 一二五
いく日吾に ありへし思ひ(*)
はるのワルツ
幾人も 住むかのやうに(*)
風の 一九四
いくばくを 眠れるひまに(*)
形成 五八・九
いくばくの 傾斜かありて(*)
花溢 九四
いくひらの 椎茸を水に(*)
印度 三三
幾ひらの 花びら濡れて(*)
風水 三四
幾万の 騎馬入り乱れ(*)
埼玉新聞 四六・八
幾万の 羊にまじれる(*)
光た 一〇
幾夜さか 同じ夢見て(*)
雲の 一九三
幾夜さか 野分きの風の(*)
野分 一七
幾夜経て うすばかげろふの(*)
雲の 七八
生くる限りの 罪かも知れず(*)
野分 四二
生くることが 負擔になりぬと(*)
まぼ 一七八
生くるとふ 名のみ甲斐なき(*)
春愁の曲
生くる道に 花のみ咲けと(*)
回顧一年
生け垣を 透(す)かして歩む(*)
無数 六八
生け垣に 羽根(シヤトル)がかかり(*)
光た 三〇
いけにへの 像は醜く(*)
野分 一九五
いけにへも 運べるならむ(*)
花溢 九二
池の面に きみのかげひとつ(*)
おもひで
池の面に 白鳥下りて(*)
まぼ 一二九
生け花の 青麦は高く(*)
雲の 一五九
池水の 底の闇より(*)
印度 五八
生けるごとく 否やまさりて(*)
はるを待ちつゝ
異国人の 父と子の凪(*)
形成 平三・一〇
いさをたて 傷手を負ひて(*)
ひとり生きたし
いさをたて 君南海ゆ(*)
浜のあけくれ
いさぎよく 無視されたきに(*)
まぼ 一
遺作の 自画像かかる(*)
不文 一四七
いささかの 疑心なれども(*)
歌と随筆 二四・六
いささかの 仕事を夜に(*)
無数 一二六
いさゝかの 創意加へつゝ(*)
春のゆき
いさゝかは あざけられても(*)
びわの花
勇ましく 旗をかゝげて 征きし人よ 今日恙なく(*)
浜のあけくれ
勇ましく 旗をかゝげて 征きし人よ 南のうみに(*)
はつあきの歌
十六夜(いざよひ)と 暦に読みて(*)
雲の 八六
遺産争ひを 避けて故郷も(*)
朱扇 二七・四
石臼の ずれてかさなり(*)
無数 四四
石を磨(す)りて 石鏃(やじり)作りゐし(*)
不文 六七
石を積む 作業のつづく(*)
花溢 五六
石階の どの面もすでに(*)
野分 一三
意識して 互(かたみ)に避くる(*)
不文 五九
意識して へだてがましく(*)
風水 一〇九
石切り場を 西の斜面に(*)
無数 一〇五
石切や 狂信仰の(*)
春愁の曲
石畳 いつしか切れて(*)
雲の 一八三
石飛ばし ゆくバイクあり(*)
花溢 九九
石などを 落とすごとくに(*)
風水 七一
石などに 似て来しわれと(*)
無数 一四六
石ならば いかなる色か(*)
雲の 一二九
石の上に こぼせしタール(*)
無数 二一一
医師の手に ゴムの歯型を(*)
花溢 九〇
石の礫の とびくるなかに(*)
形成 六〇・七
石碑(いしぶみ)の 根元の草に(*)
印度 五九
石室の 底に落ち葉を(*)
無数 一二二
石室の 底(そこひ)に睡り(*)
不文 一二
石弓を とりて獲物を(*)
埼玉新聞 四四・一〇
石牢の 壁のごとくに(*)
花溢 八〇
椅子の音 しづまるまでに(*)
風の 一九七
椅子のまま 沈みてゆける(*)
形成 四二・三
いづくにか 月ありて明るき(*)
花溢 二六
いづくにか 虹かかりゐむ(*)
まぼ 七三
いづくにか ひとりでに開(あ)く(*)
不文 一〇一
いづくにか まだ母はゐて(*)
花溢 一五四
いづくまで 昇るか知れね(*)
風水 二〇二
いづくまで 行きしや月の(*)
花溢 一五九
いづくまで 行く魂か(*)
印度 一三
いづくまで 行くわれならむ(*)
短歌公論 四三・一〇
いづことも なき花の香を(*)
埼玉新聞 四四・一一
いづことも 水は見えねど(*)
形成 平三・八
いづこなる 春のうしほに(*)
風水 二二三
いづこなる 女神なりしや(*)
風水 二〇五
いづこにか 生きながらへて(*)
雲の 五四
いづこにか 死せる家族ら(*)
雲の 一二五
いづこにて 焼かれむわれか(*)
雲の 二〇一
いづこにも 出でて行かねば(*)
光た 五一
いづこにも 風は吹きゐず(*)
花溢 一六三
いづこにも 富士はありとも(*)
風の 九一
いづこまで 帰るやガラスの(*)
花溢 二一九
いづこより いづこへ帰る(*)
花溢 九四
いづこより うつされて来し(*)
形成 六〇・四
何處(いづこ)よりか 迷ひ來し仔犬に(*)
朱扇 二六・七
いづこより 来りし子らか(*)
短歌ジャーナル 六一・七
いづち飛ぶ ヘリコプターか(*)
朝日新聞 五九・一
泉より 醒めくる旅の(*)
雲の 四四
いづれ癒る(なほ)と 思ひてをれど(*)
雲の 六四
忙しき 職場なれども(*)
印度 二四
いそがしく たちふるまひて(*)
春愁の曲
急がねば ならぬことあり(*)
形成 五八・七
急ぎ足に 勢ひありて(*)
毎日新聞 六〇・六
急ぐことも あらじとひとり(*)
短歌 三一・一一
いそしみて いそしみてなほ(*)
風水 五八
磯波の 寄せては返し(*)
花溢 七三
痛きところの 無き日は点字を(*)
風の 一六八
痛きまで 胸締めて出づる(*)
野分 一四
抱(いだ)きゆく 鉢の桜草(プリムラ)(*)
不文 一七四
頂を いつまでも見せぬ(*)
風の 三一
虎杖(いたどり)の たけゆく道を(*)
風水 九四
虎杖(いたどり)の はつかに萌えて(*)
雲の 一九六
痛みやすき 花一つ持つ(*)
歌と随筆 二三・八/九
イタリアの 厚地の絹も(*)
風水 一九七
位置を替へ 鳴きなほしつつ(*)
風水 一五〇
位置替へて 鳴きつづけゐる(*)
雲の 八五
一語一語 噴き出づるごとし(*)
印度 一三七
いちづなる ねがひひそかに(*)
歌と随筆 二一・二
一代限りに 絶えなむ芸を(*)
形成 三二・二
一度にて 点きしライター(*)
印度 三八
一日中 真夜中のやうな(*)
野分 二二
一日は 二十四時間(*)
風水 一七一
いちにんの 愛に埋もるゝ(*)
寂天莫地
一人前の 労働力に(*)
風水 一一六
一年分の 薪買ひこむ(*)
形成 三七・一二
市果てて ガラスの翼(*)
形成 四二・一
いち早く ビルに昏(くら)みて(*)
風の 一三四
一枚一枚 瓦を屋根に(*)
野分 一〇八
一枚の 教員免許状が(*)
まぼ 六
一枚の てのひらをもて(*)
無数 一〇九
一枚の 皮膚と思ふに(*)
風水 一三四
一枚の 古りし名刺に(*)
風水 二四二
一枚の 水の矩形も(*)
形成 平元・六
一枚を 剝げば白鳥も(*)
野分 一四〇
いちめんに 卯の花などの(*)
雲の 五三
いちめんに 咲く曼珠沙華(*)
雲の 八三
一面の 穂すすきのなか(*)
野分 一六二
一輌のみの 電車が行けり(*)
風の 七〇
一輪車 泳がせて人の(*)
花溢 一二一
一列に 咲きそろひたる(*)
風の 三〇
一羽のみと なりしインコも(*)
花溢 一六九
いつ癒ゆる 人とも知れず(*)
形成 平元・三
一角より 崩しゆくほか(*)
不文 一三
一過性の 病と言へり(*)
短歌 六二・二
いつか遠く 忘れられゆく(*)
朱扇 二六・七
何時来ても 水無き川よ(*)
林鐘 三二・五
一氣に坂を 駆け下りる如き(*)
まぼ 九六
一気に遠き 職場となれど(*)
形成 五八・四
いつくしむ はらからよ父よ つゝがなく(*)
寂天莫地
いつくしむ はらからよ父よ 吉野路の(*)
春愁の曲
一切の 藝術守護の(*)
はつあきの歌
何時しかに はまなすの実も(*)
夏の日記帖から
何時しかに 夜は更けぬらし(*)
ひとり生きたし
いつしかに 吾なきぬれて(*)
わかなつむ歌
いつ死ぬか 知れねば日記も(*)
短歌研究 三一・七
一週に 一度しか見ぬ(*)
雲の 一三五
一瞬の こころ騒ぎつ(*)
無数 六五
一瞬の 間(ま)と思へど(*)
形成 六一・四
いつ知れず 雪の降りゐて(*)
雲の 二一四
いつせいに 歩き出しさうに(*)
風の 一七〇
いつ使ふ 指とも知れず(*)
形成 五八・四
一滴の 黄の除光液(*)
形成 五九・一〇
何時となき 心弱りに(*)
花溢 一五
いつとなく 雨はあがれり(*)
風水 一二六
いつとなく 錨の形(*)
短歌研究 四三・五
いつとなく 失ひてをり(*)
風水 一一
いつとなく ギブスに固め(*)
風水 一六八
いつとなく 寂しき雰圍氣(*)
まぼ 八
いつとなく 死せる人らを(*)
風水 一二〇
いつとなく 疲れまどろむ(*)
朱扇 二六・八
いつとなく 人に頼れる(*)
形成 五七・二
いつとなく われの纏へる(*)
無数 四二
何時にかはらず ひもじき日にも(*)
はつあきの歌
いつの日か 㐂びと夢と(*)
わかなつむ歌
何時の日か 吾は想はむ(*)
はるの虹
いつの日に 入れしままなる(*)
無数 一五四
いつの日に つかむ勝負か(*)
不文 一一九
いつの日に 長崎絵にて(*)
花溢 二〇三
いつの日に 晴るゝ懐疑ぞ(*)
歌と随筆 二三・八
いつの日に 湖のごと(*)
回顧一年
いつの日の 逢ひとも知れず(*)
形成 五七・六
いつの日の 海とも知れず(*)
雲の 二一八
いつの日の 母の言葉か(*)
印度 五七
いつのまに あがれる雨か エクレアも(*)
雲の 六五
いつのまに あがれる雨か 夜の水は(*)
野分 四〇
いつのまに 貝の風鈴も(*)
形成 平三・一
いつのまにか 植字工の変り(*)
形成 三九・九
いつのまに 片側かげり(*)
形成 六二・一二
いつのまに 薬効きゐて 夜半を往く(*)
野分 一四〇
何時の間に 職替へし彼か(*)
形成 三〇・四
いつの間に 杉菜長けゐる(*)
無数 一一一
いつのまに 小さき蜂の(*)
雲の 一六
いつのまに 東京を去りし(*)
不文 一三
いつのまに 隔たりて亡き(*)
雲の 一九四
いつのまに 身を抜け出でし(*)
無数 一二〇
いつのまに 横につながり(*)
形成 平四・一
いつの夜か 埴輪の兵の(*)
短歌研究 四一・一
いつの世に 沈められたる(*)
形成 三九・一〇
いつの世の ことかと思ふ(*)
光た 一一八
いつの世の ことなりにしや(*)
風の 一五八
いつの世も 同じならむに(*)
光た 二一
一歩だに 引けぬと思ひ(*)
野分 四四
一本の アッシュの杖を(*)
無数 一一八
一本の 木としてわれを(*)
風水 四四
いつまでも 明けおく窓に(*)
まぼ 一一五
いつまでも 合はぬ算盤に(*)
まぼ 一一七
いつまでも 憶はるるとも(*)
風水 四一
いつまでも 枯れ色残る(*)
短歌研究 三八・五
いつまでも 嗄れゐる声を(*)
印度 一〇四
いつまでも 寒き春よと(*)
形成 四六・七
いつまでも 空一面に(*)
風水 一五八
いつまでも とろ火に何を(*)
花溢 一六八
いつまでも バスの来されば(*)
印度 一四六
いつまでも 母を安んぜしめ(*)
形成 二九・二
いつまでも ふさがらぬ部屋を(*)
光た 一〇〇
いつまでも 冬の片虹(*)
花溢 一〇六
いつまでも 待たむと決めて(*)
形成 四三・四
いつまでも 待つと言ひしかば(*)
まぼ 五
いつ見たる 門とも知れず(*)
風水 二三二
いつ見にし 夢かと思ふ(*)
短歌ミューズ 五七・一
いつも誰かを 探してゐるやうな(*)
雲の 五〇
いつよりか 工事場の灯に(*)
花溢 七五
いつよりか 切なく狂ふは(*)
夕ぐれの歌
いつよりか 「先生」とわれを(*)
不文 六九
いつよりか 名簿に消えて(*)
風の 一二三
いつよりか 萌えずなりたり(*)
光た 二六
偽りを 言はねばならず(*)
花溢 二〇
偽りを 名乗る要など(*)
無数 一七
偽りの 印章を押しし(*)
現代 四四・一一
偽りの 言(こと)も仕種も(*)
春愁の曲
偽りの 言(こと)もたくみに(*)
春愁の曲
何時われの 書き散らしたる(*)
形成 三一・三
出で歩く 日の稀にして(*)
花溢 一八〇
出で入りの はげしくなれる(*)
花溢 九〇
出で来ては 脅やかすもの(*)
不文 一二四
出でて来し 手品の種の(*)
野分 五四
出でて来て 没(い)り陽に草の(*)
形成 三一・一
出でて来て 人は小さく(*)
風の 九四
出でて来て 螢を追へば(*)
光た 一三四
出でてゆく けはひのせしが(*)
風水 一九三
出でてゆく 菜園があるに(*)
風の 四八
出でゆけば すぐに隠れて(*)
形成 四七・八
糸を引き合ひ ブロックの高さ(*)
形成 五〇・一
糸切れて 畳にこぼれて(*)
形成 三九・八
いとけなき 夢うつろへど(*)
夕ぐれの歌
いとけなく 伴はれ来し(*)
雲の 一五六
いとけなく なほなる日々も(*)
春愁の曲
糸として かへりみるとき(*)
暗 五八・秋季
いとせめて 健やかなれと(*)
はるのワルツ
いとせめて 酔ひて哭かなむ 白酒の(*)
夕ぐれの歌
暇々(いとまいとま)に 物縫ふならひ(*)
印度 四一
暇なくて 生くるといふも(*)
歌と随筆 二二・四/五
挑ましき 思ひも湧かず(*)
花溢 一七七
田舎に居らば 不幸にならずに(*)
不文 五一
去なばまた いつ来む海ぞ(*)
形成 三〇・一〇
稲藁を 焚きゐる塚は(*)
風の 五七
稲藁の 束は濡れゐて(*)
雁 六二・七
古への 戦ならねば(*)
形成 平二・一〇
いにしへの をみならも経し(*)
風水 七五
古への 武具の名持てる(*)
風の 一五〇
いにしへの 葡萄文様を(*)
風水 一三一
古人の かしこきみやの(*)
びわの花
古へは 鹿も棲みしとふ(*)
朱扇 二六・一
犬を解き 文鳥を放ち(*)
形成 三七・一
犬を曳く 少年が行き(*)
風の 六一
犬たちに 匂ひの地図の(*)
風の 一〇六
犬と歩み くまぐまを知れる(*)
雲の 二七
犬との距離 測りなどして(*)
短歌研究 六一・三
い寝がたく 思(も)ひ極まりて(*)
春愁の曲
いのちかけて 人愛(を)しみする(*)
はるを待ちつゝ
命知らずの 万のつはもの(*)
埼玉新聞 四六・八
生命とは かくも絶対なるを(*)
わかなつむ歌
稲の花の 音無くそよぐ(*)
不文 四一
稲の葉は 露あげて朝々(*)
形成 六一・一
意のままに なること一つ(*)
野分 五二
意表を突く ことも言ひ得ず(*)
花溢 一五三
いぶかりたまふ はゝに答へあへず(*)
はるのワルツ
異邦に病む 君を看護(みと)りき(*)
不文 四七
今一度 搏たきて見たしと(*)
朱扇 二五・七
縛めを 解き合ふごとく(*)
不文 一三七
いまだ値の つかぬ野菜の(*)
現代 四四・一一
いまだ見ぬ うすずみ桜(*)
形成 五七・五
今使ふ 錐にあらねど(*)
風の 五一
今にして 迷ふと知らば(*)
風水 二一
今に残る 富士見坂の名(*)
風の 一四一
今のまに 反故の類ひも(*)
野分 一〇二
いまの世の 農に得がたき(*)
埼玉新聞 四五・六
今のわれに 何が出来るか(*)
雲の 一〇八
今はただ 恋ほしき人の(*)
埼玉新聞 四六・七
今はただ ミシンを踏まむ(*)
雲の 二一一
今は誰にも 見することなき(*)
まぼ 一五
今ははや 思ひ出も燃えず(*)
はるのワルツ
今はもう 聞かれずなりぬ(*)
雲の 七〇
今一たび 夢を見むとも(*)
まぼ 一五五
今ひとつの 絆断つとも(*)
まぼ 六四
今一つの 超克を希ふ(*)
まぼ 四六
今欲しき もの何ならむ(*)
雲の 一七一
今もなほ 俗名に呼びて(*)
風の 一六
意味のある 一歩一歩と(*)
雲の 一九一
移民船に 托して送る(*)
形成 四一・七
妹を われにあづけて(*)
短歌研究 四七・一〇
妹といふ あいらしきもの(*)
風水 一二
妹と くらす月日に(*)
花溢 二九
妹と 母の待ちゐむ(*)
まぼ 九九
妹に 弾かせむワルツ(*)
無数 六七
妹に 揺り椅子一つ(*)
花溢 一六四
妹に 揺りおこされぬ(*)
雲の 三二
妹の 赤き傘より(*)
花溢 一九一
妹の 在らば定年まで(*)
印度 四九
妹の 在りしころより ふくろふの(*)
野分 一四四
妹の 炊ぐ飯(いひ)匂ひ(*)
不文 一二一
妹の 忌の日は雨と(*)
ぼあ 六二・六
妹の 届けくれし木犀(*)
まぼ 二〇
妹の ねんごろにして(*)
雲の 一五九
妹の 弾くエチュードの(*)
無数 七九
妹の 分も生きよと(*)
野分 一〇九
妹の まだ居たるころ(*)
風の 一九五
妹の 訳しくれたる(*)
不文 九八
妹の 逝きて八年(*)
風水 一五四
妹も 寂しからむ古風な(*)
まぼ 六〇
妹よ 父よ母よと(*)
雲の 七七
医薬もて 部分部分を(*)
風の 一一九
礼(ゐや)深く 人の出で入る(*)
花溢 一八六
癒ゆる望の なき人に仕へ(*)
朱扇 二七・一〇
依頼心を あまり持たぬ性も(*)
まぼ 一三六
蕁麻(いらくさ)に 触れし痺れの(*)
不文 五七
蕁麻(いらくさ)の 四角の茎も(*)
形成 平三・二
いらだちを 伝ふるピアノ(*)
無数 二二七
いらだちに しぐさもあらく(*)
寂天莫地
いらだちの いつかうすらぎ(*)
花溢 八六
いらだちの もとの一つに(*)
現代 四四・一一
いらだてる こころ見抜かれ(*)
短歌 三三・三
苛立(いらだ)てる さまに立ち来て(*)
不文 一七六
入会の 沼なりし日も(*)
毎日新聞 平元・九
入り口に 近くたちまち(*)
花溢 二一五
いりくめる 海岸線は(*)
風水 二二七
いりくめる 港の町と(*)
無数 一九九
入り日差す 坂をのぼりて(*)
花溢 一六一
入れ替ふる 心など持たず(*)
風水 一〇九
いれ違ひに 入りゆきたる(*)
短歌研究 三七・一
容れられぬ 主張収めて(*)
朱扇 二六・一
色褪せし 造花も翳を(*)
まぼ 一三〇
色褪せし 花忽ちに(*)
無数 一六〇
色褪せて たるみゐにしが(*)
風の 一一八
色づける 羽状複葉(*)
印度 一五〇
彩りも なきパンフレットを(*)
まぼ 一〇六
色の濃き プラム、無花果(*)
雲の 二二五
色の無き 葡萄摘みゐる(*)
印度 一三九
いろは順 五十音順(*)
形成 六二・一二
色眼鏡と 今は呼ばぬに(*)
短歌研究 六一・三
岩鼻を 獅子に見立てて(*)
雁 六二・七
岩山に 山吹の花(*)
春のゆき
いはれなき ことも言はれて(*)
形成 五七・七
印押して おきたるのみに(*)
風水 二二
印捺して めぐりさわだつ(*)
雲の 七一
印鑑の 置きどころふと(*)
花溢 一〇八
インク壺に インク足し来て(*)
花溢 一四一
印章を あつらへに入りて(*)
無数 三三
インターヴュウを 終へ来てくだる(*)
まぼ 四八
印度更紗の 布を裁たむか(*)
風水 四九
印持たぬ 人には拇印(*)
不文 七一
引力の やさしき日なり(*)
野分 一〇五

ウインドウに 売れ残りゐる(*)
野分 三五
ウインドウの ネクタイと影と(*)
不文 一七〇
ウインドウの 花の飾りに(*)
無数 一三〇
植ゑ呉れし 人も来ずなり(*)
形成 五〇・二
植ゑぬ田の かたちに芦の(*)
形成 五九・七
上野までの 一時間がほどに(*)
花溢 二二一
魚の血の ひとすぢ水に(*)
印度 一一三
魚の群れに 混りゐたれば(*)
風水 五一
魚のやうに なめらなる手を(*)
花溢 一七四
家族(うから)らに 互みに病まれ(*)
朱扇 二七・九
家族(うから)らは みなもとのまま(*)
形成 平五・七
穿(うが)たるる ままに眠らむ(*)
無数 一八八
迂闊なる 言葉あやぶみ(*)
不文 六四
迂闊にて 把手(ノブ)に指紋を(*)
不文 一二四
羽化の日の 近づくごとき(*)
無数 一二〇
雨季来れば たちまち水漬く(*)
まぼ 一七二
雨季迫る きざしかわれの(*)
風水 四七
雨季のくる 前には再び(*)
印度 六八
浮世絵の 波の色より(*)
形成 五七・三
迂曲しつつ 生くる身と思ひ(*)
まぼ 七八
ウクレレを 買ひてもらひし(*)
短歌研究 四五・八
受付の 錆びしペンもて(*)
花溢 一一
受けとめし 心の激動こそ(*)
おもひで
受け取れる 紙幣透(す)かして(*)
無数 四六
受け身にて 生きゐるとのみ(*)
無数 二八
動かずに をれば膝より(*)
雲の 六六
動くとも なくただ薄く(*)
雲の 五七
動く歯の いつか痛まず(*)
形成 四四・一一
牛を呼ぶ 野太き声を(*)
無数 一二四
宇治十帖 読み返しつつ(*)
短歌研究 六一・七
北東(うしとら)の 鬼門出づれば(*)
形成 平元・五
失ひし 視力の不意に(*)
花溢 一三〇
失ひし 版図を憶ふ(*)
不文 一二九
失ふに 惜しく残れる(*)
花溢 一二八
失へる ことのみ多き(*)
短歌研究 四二・三
失へる 皮のブローチも(*)
形成 四五・四
失へる 耳環のゆくへ(*)
不文 一一二
失はば 大きからむと(*)
野分 五一
うしろかげを あざ笑はるゝ(*)
春のゆき
うしろ向きの 人のみ歩む(*)
不文 七四
うしろより 花の香のする(*)
光た 一四
うしろより 見つつ歩みき(*)
光た 五九
うす青き ガラス散らばる(*)
花溢 四八
うす青き 切符一枚(*)
花溢 六〇
うす青き 花の型ある(*)
回顧一年
うす青き 羽根の扇風機(*)
形成 平三・一〇
薄青く コップは乾き(*)
雲の 五一
うす紅き 花咲ける藻の(*)
オレンヂ 二二・一
うす味に 仕立てし夕餉(*)
形成 平二・五
うす味の 食事にも慣れて(*)
形成 五九・一二
碓氷越えて またも旅ゆく(*)
形成 三一・二
うすうすに 張れる氷の(*)
形成 六一・一〇
うす紙を はさみて椀を(*)
風の 一四
うす皮を 一枚一枚(*)
形成 六〇・二
うす霧の 夜の天体の(*)
歌と随筆 二三・八/九
うすくうすく 人参をそぎ(*)
雲の 一三七
うづくまる いづこもわれの(*)
雲の 二四
うす雲に 大き虹なす(*)
雲の 七二
うす雲に まぎるるほどの(*)
雲の 二二二
うす雲の 空に風ある(*)
雲の 一七二
うすぐもり あやかふ玻璃や(*)
夕ぐれの歌
うすぐらき 明りを洩らす(*)
短歌研究 四一・一
疼く夜の 淺きねむりの(*)
歌と随筆 二一・三
薄墨いろの 羽毛ひとすぢ(*)
埼玉新聞 平二・一
薄墨いろの 雲に戻りて(*)
野分 一九五
うづ高く 積まれし落ち葉(*)
印度 一五
うづたかく 本のみ積みて(*)
光た 五七
渦なして 中心のなき(*)
風水 五〇
うづもるる 思ひにをれば(*)
形成 五九・六
うす雪の 白くこごれる(*)
印度 三六
うすら赤く 太れるトマトを(*)
風水 三九
薄氷(うすらひ)の 張れるをそのまま(*)
雲の 一三四
うすらかに 鰭をまとはむ(*)
雲の 六七
うすら寒き 日のくれに来て(*)
花溢 四四
うすら陽の 傾きそめて(*)
歌と随筆 二一・四
右折して 海に出でたき(*)
形成 平三・三
うたひゐて 「あゝさうだよ」の(*)
おもひで
歌ひつつ 鏡に向ひ(*)
月光 一九・二
疑ふは 卑しきことと(*)
まぼ 八七
歌垣の 跡をたづねむ(*)
現代 四四・一一
歌垣の 夜のごとき月の(*)
花溢 二二〇
うたかたの 職場におのれ(*)
印度 四四
疑はず 軍手と呼びて(*)
風の 一三二
疑はず そのをりをりを(*)
形成 六一・四
疑はず われに倚りくる(*)
朱扇 二六・五
疑はぬ ことの優しさ(*)
風水 一八八
疑はれて ゐるかも知れず(*)
雲の 九四
歌に知る 消息にして(*)
風の 一九〇
打たむとし 大き平手を(*)
花溢 二二三
討たれしは いかなる鬼か(*)
風の 一四一
撃たれしは 土民の少女(*)
花溢 一七二
打ち明けらるる ことを期待し(*)
まぼ 五
うち笑めば ほがらにとほる(*)
はるを待ちつゝ
うちかけの 肩なだらかに(*)
埼玉新聞 四五・四
内側に 踏み入るを避けて(*)
まぼ 二八
内暗き 硝子窓ゆゑ(*)
不文 三七
うち沈み ひと日ありしが(*)
形成 平二・七
うち揃ひ 夕餉なしたる(*)
風水 九九
うちたへて 内燃するは(*)
回顧一年
うちつけに 愕くことの(*)
風水 二六
うちつけに 憎しみを人の(*)
風水 六三
うちつけに 理解さるると(*)
まぼ 一〇二
うち続く 不協和音の(*)
ひとり生きたし
内法(うちのり)を ややに撓(たわ)めて(*)
無数 一一
内深き 摩耗のわれに(*)
不文 一〇七
内よりの 力に割れし(*)
野分 一八二
美しいこと わたしは好きよと(*)
ひとり生きたし
美しき いけにえとなりて(*)
回顧一年
うつくしき 拘束といへる(*)
現代 四四・一一
美しき ショパンに飽かず(*)
ひとり生きたし
美しき ためらひの果てに(*)
春のゆき
美しき 断崖として(*)
風水 二九
美しき 手を持つ少女(*)
風水 三七
美しく 見ゆる位置まで(*)
野分 八三
欝結の ほぐるるを待つ(*)
まぼ 二九
現し身を こえて夢境に(*)
びわの花
現しみの かへります日は(*)
はつあきの歌
現し世に あまるなげきぞと(*)
春のゆき
うつし世に こよなく寂き(*)
回顧一年
うつし世の 最後の逢ひと(*)
無数 一七〇
現し世の 乳の香一つ(*)
歌と随筆 二四・六
現し世の なげき知りそめ(*)
春のゆき
現し世の 人にてあれば(*)
はるを待ちつゝ
訴へて 慰め得まく(*)
春のゆき
うつつなき 思ひにゐしが(*)
暗 五八秋季
うつつなく 歩みてゐしが(*)
風水 七四
うつつなく をればテレビは(*)
短歌研究 四八・六
現つには 咲かぬものをと(*)
歌と随筆 二一・五
うつむきて 歩みてあれば(*)
形成 平二・六
うつむきて ゐるときに見え(*)
短歌研究 四七・一〇
うつむきて ゐる日の多く(*)
風水 二〇一
うつむきて 印度の果実(*)
印度 一二〇
俯向きて 夫(つま)の怒りに(*)
朱扇 二六・一一
移り来し 家に残れる(*)
無数 一八七
移り来し 日より再び(*)
無数 一四六
移り来し 部屋にかかぐる(*)
不文 四四
移るとも なく移りゆく(*)
無数 五六
うつろなる ひゞきをたてゝ(*)
回顧一年
腕時計 読みあひて椅子を(*)
無数 七八
腕などを 失ひて還る(*)
短歌 四四・八
腕のつけ根の 何やはらかな(*)
雲の 一〇九
うとくして 今日に変らぬ(*)
不文 八一
うとくして 逝かしめし罪(*)
短歌研究 四七・一〇
うとましき 思ひもまれの(*)
花溢 二一六
うとましく 振舞ふことの(*)
花溢 一九一
うとまれて かげる思ひの(*)
春のゆき
うとまれて 虚無に翳れる(*)
やまと 一九・八
うとまれて つひに逝かしし(*)
現代 四四・一一
促さるる 思ひ湧きたり(*)
風の 一九五
鰻とる 細工して畦に(*)
不文 六九
うなだれて ゐては飛び得ず(*)
野分 一九
奪ひしは われにあらずと(*)
野分 一七九
乳母車に みどりごは居ず(*)
風の 一八三