みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正10年(1921)

726_001    726_002
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[表]
消印午後10時-12時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町
     十三
        寺田寅彦


[裏]
 御はがきの御返事が遅延致しました。講演が思つたやうに行かなかつたさうですが、それ位で聴衆には丁度よかつたかもしれません、君が会心の講演は青靴下には六かし過ぎて困るかも知れない」 なに風采をおがませておやりになるだけで功徳になりますよ、時〻御奮発を願ひます」 此間小鳥の話をしたがとう/\実行しました、中〻可愛いゝものです。飼養法を聞いたら店員が「つまり人間と同じやうにしておやりになるといゝ」と云つたのが一寸面白かつた、成程それにちがいない。」十姉妹(ジウシマツ)は巣へはひつて寝るが、紅雀は這入らないで止り木でねる。寒さうに二羽がぴつたりせり合つて寝て居る。」猫が鳥を捕りたがつて困る、此れを教育する事を研究して居る」 改造の原稿兎も角もかきました。始めからプロッ卜を立てずにかいたから継ぎはぎで随分マヅイが一度見て頂ければ大幸と存じます此んなものは骨が折れてやつぱり本当の書く興味が薄い、写生文風のものゝ方が書く事の喜びがどうしても多い。矢張がらに合つて居るかもしれない。
    九(ママ)月二十四日