みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正10年(1921)

675_001    675_002
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[表]
消印(日付不明)午後5時-6時
赤坂区青山甫町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町十三
      寺田寅彦


[裏]
御はがきと原稿難有う、」早速見て下さつてどうも難有う、そして及第点のみならず御賞めに預つて恐悦であります。」結末をつける為にもう一節田舎の祭の奇習を書いてそれの終に多少全体にかゝるやうな事をかいたが少しそれは月並くさくなりました。」 虫送りの音譜を又少し改良して太鼓と鐘との音を出しました、此れだけはオリヂナルの積りです。此れをテマにして荘大なシムフオニーでも誰か作つてくれると面白いと思ひました。」御病人御軽快の由此上御大事に願ひます。拙宅では、此れも何かのコムペンセーションでおやぢが病気を引受けて居るせいか他はわりに健康であります。」 鼠が出て困るが中〻尋常の手段で捕らえられないのでトウ/\子猫を一匹貰つて来て飼ひ始めた。さうすると子供等のみならずみんなで大騒ぎで可愛がる、それが余りセンチメンタルになるので少し持てあまして居る。「我輩の猫」といふのを書い〔て〕見やうかと思つて居ます