みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正10年(1921)

667_001    667_002
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[表]
消印17日午前9時-10時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町十三
       寺田寅彦


[裏]
 先日はKitschわざ/\御調べ難有う御坐いました。校正の時にでもうまく入れられたら入れましやう。」 独逸で出た相対原理に関するいろんな小冊子を近頃西洋から帰つた人に借りる事が出来たので奮発して読み始めました。アインシユタインの1916の論文が此れでやつと見られる。」 はしかといふものは一度やつたらもうやらないものかと思つて居たら一番小い子が数日前から第二回目をやつて居ます。此れは子をもつ親の知つて居るべき事だのに今日迄知らなかつた。二度目は軽いとも限らないんださうです。」此間中の天気は随分いやでしたが昨日からやつと天日を仰いで非常に嬉しい、其嬉しさの中に何だか知れない心細さと不安が透明な雲の如く泛(ただよ)つて居る」 臍繰りの原稿料がいつの間にかフェルダムプフエンし、フェルヅンステンして嚢中自ら軽く羽化して登仙せんとするの感あり」 烏瓜の根を子供が掘り出したのを始めて見て大に驚いた。大きなさつま芋のやうな球根が鈴なりになつて居る、こんな大きな根があらうとは夢にも思はなかつた。」 いつか問題になつたフリージアが雪にいじけて居たが此頃やつと咲きました。やつぱり西洋人の置土産の種ださうです