みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正10年(1921)

662_001    662_002
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[表]
消印午後5時-6時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町十三
       寺田寅彦


[裏]
 御手紙難有う、」 それでやつと機嫌が直つて元気を回収しました。」 実はあれを豊隆先生が貰ふと云つたといふ事を家内中は勿論津田君にも宣伝して威張つて居たのだからあれはいやでも貰つてくれないと甚だきまりが悪いのです。尤も坐敷へ掛けられたりすると却つて恐縮するから、勝手の方へでもぶら下げて置く事にしてくれ玉へ、その内どし/\傑作を出して取換へさしかへる事に致しますから」 零余子主宰の「電気と文芸」へ出した事について松根君から小言を頂戴した。松根君に云はせるとRは大変イケナイんださうです。僕の名を広告で見て「淡き哀愁を感じた」と云つて来たので僕も亦「淡き哀愁」を感じました。どうも僕は気が弱いから頼まれると何でもするし泣きつかれると泥棒でも人殺しでもやるかも知れないから宜しく監督をしてくれといふ事にして御詫を申送りました。「電気と文芸」のやうな人の注目しない雑誌へ書くのは馬鹿〻〔〻〕しいとアテコスリを云つてやらうと思つたがそれはよしました。