みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正10年(1921)

640_001    640_002
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[表]
消印午後3時-4時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町十三
      寺田寅彦


[裏]
御はがき拝見、はしかゞ始まり候由いよ/\御難義の事と拝察致します、はしかは一度家へはひると、どうも一般になりたがるもので、宅でも先年一辺に片付けました、しかしさういふのは存外早く気付きもするし軽くてすむやうです、兎に角はしかは食物の撰定と減熱後に冷えない事が最要件だから、直つたと思つて早く床を出て冷えないやうに御父さんの御守が緊要と存じます。」 三宅氏がやられた由、まさかと思つて昨日あんな冗談をかいたが、何だかすまなかつたやうな気がして居る。四十二歳であるのが妙に感ぜられた。去年細君が同病であつたといふから或はTrägerの(ママ)であつたのではないかといふ気もする、しかし充分注要(ママ)はしたのだらうがどうもつまりは運次第かも知れない、此間理学士の刈屋といふのが矢張チブスでやられたが此男も理科には珍しい体格のいゝ男であった。かうなると痩せ党は却つて心強い。かへす/゛\御大事に願ひます