みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正10年(1921)

630_001    630_002
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[表]
消印月日時間不明
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙13
      寺田寅彦


[裏]
謹啓。昨日は折角落着いて仕事を始めた処を襲撃して引張出し御迷惑だつた事と存じます、小生は御かげで非常に愉快でありました。此れで少し人心地がついた、此れから四五日又精進して検査をして、其れから又戒律を破る事にします、此次は支那料理へ御伴したいと思つて居ます。それ迄に昨日御話した男の著書を研究しておいて、通をふり廻す為に」 昨日帰つて来てから又うちのヴイクトロラを引つぱり出して第五シンフォニーをやつて見た。針の種類によつてどれだけエキスプレッションに相違があるかを研究して見ました。今度御いでの節は其結果を発表に及びます。リエンジの序曲も一寸面白いものです」 赤彦氏から大変に喜んで原稿の礼を云ふて来ました。君もどうぞ大に賞揚してくれ玉へ」 人殺しをしない為に」 昨日留守に友枝氏が来たと云ふから夜訪問して少し話して居る内に恐ろしく脚首がつめたくなつた、そのせいか今日はもう少し風心持で寝て居る あんまり意久地がないので厭になつてしまふ」 其内来てくれ玉へ 待つて居る     一月十二日