みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正9年(1920)

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[表]
消印7日午前9時-10時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町十三
      寺田寅彦


[裏]
昨日は御来駕難有う御坐いました いつも何の御愛想もなくて御帰り後甚だ物足らなく思ひますがどうか悪しからず願ひ升」 御病人御経過如何に哉 御加養専一に存じます。」 今日学部長来訪いよ/\講坐解除の宣告を受けました、何だか生ぬるい感じがするが今の処外に仕方がないから難有く御受をして置きました。」 昨日君に見せるべきもの話すべき事を忘れて居た、いつかの天誅組の後日譚もあったし。帝展を見ざる記に対する批評もあつたりしたのだが次回に譲ります。」君のサヂェスシヨンによつて此れから少しウィスラーのノクターン式油画をやつて見やうかといふ気になって居る そして「どんぐり」「やもり」などゝ題するのを連発して更に一粲を博したいと思つて居ます、しかしほめられる見込について考へると少し銷沈する。コツソリ二三年臥薪嘗胆をやつて置いてアツト云はせたいんだが此の方の見込もないからマアどの途あきらめる外はない」御帰省前御閑あらば又御来遊を願ひます。
 御病人御大事に  十二月六日