みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正9年(1920)

611_001    611_002
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[表]
消印午後3時-4時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷曙町十三
      寺田寅彦


[裏]
御手紙難有う、詳細な御批評を難有う御坐いました。」 想華といふのは僕も一寸さうかと思つて可笑しかつた。しかし僕としては特別な欄をこしらへてくれた滝田君に礼を云ひ度い気がして居ます。」簑虫は御説の通り一言もありません、辞書の件は木に竹をついだやうでおかしい 今度から注意します。書いて居る時から全く気がつかないではないがやつぱり自然に出て来るものを切つて捨てるが惜しいものだから」「あるまいかの連発は成程煮え切らないで歯痒いでしやう、なるべく注意しましやう。しかしあれは一生僕にくつゝいて居る態度なんだからどうも中〻吹き切るのは苦しい。」 アンニユイは全く御説の通りすると最後がうんと利くのでした」改造のは何しろ羽太鋭治君等と一処に顔見世をやるので少しいやな気がしました」 帝展評をほめて下さつて難有う、ほめられるのはやつぱり嬉しい。しかしいけない処を図星をさゝれるのも悪くありません。どうも難有う。」御言葉に甘へて又一つ同便で御送りします。余りうるさいでしやうが御一覧の上御批評を仰ぎます。 風邪はどうぞ御大事に    十一月五(六)日