みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正9年(1920)

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[表]
消印午後5時-6時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
     本郷区曙町
     十三
       寺田寅彦


[裏]
別役から中央公論の到着を報じて来ました、海が暴れて船が止つ〔て〕居た為に遅着したさうです、御手数難有う御坐いました。あの男も病気で遊んで居るのです。」 今朝玄関で恐ろしい元気な声で案内を乞ふ人があると思つたら滝田氏でした、君から例のトラゲニャーフの事を聞いたからと云つて徴発に来たのでした。少しばかり直してからやる事にしました。吉村冬彦といふ名前にして貰ふ事にしました。」何だか昔の人殺しをしたものが色〻に名を変へて諸藩を渡りあるいて奉公口を捜して居るやうでいやだが、実際そんなものかも知れない。やつぱり誰にも話さないやうにして下さい、どうせ中央公論から洩れるにはきまつて居るが」 僕の内では軽い感冒がボツ/\あるが、御宅は如何ですか。御用心を願ひます。    十月十二日