みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

寺田寅彦書簡

大正9年(1920)

515_001    515_002
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[表]
消印午後4時-5時
赤坂区青山南町
六ノ一〇八
 小宮豊隆様
    本郷曙町十三
     寺田寅彦


[裏]
御はがき拝見しました」 病気がなほるのは病人のからだをめぐる血液の内にある不思儀(ママ)な力が病気と戦つて勝利をしめるのではないでしやうか、此の力を神様といへば矢張り神様のおかげかも知れない白血球がどうだこうだといふのは言葉のゴマカシで結局は不可思議な力に帰する外はない、」看護人の有効なのは看護人の魂が患者の血液の中へ流れ込む時には存外馬鹿にならないものだと思ひますがどうでしやう、医者や看護婦はかういふ点では全く無能なものだと思ひます、」真鍋さんが先生に附添つて居た時はあれは医者の真鍋さんではなかつたのでしやう」 僕は病気を直してそしてもう一度若返るつもりで一昨日主任教授迄学校をやめさして貰い度といふ事を申し出しました、聴いてくれやうがくれまいが兎に角一年位は遊んでからだをよくします、学校はやめても物理をやめるのではありません