みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ遺産」

みやこの「ひと(先人の事績)」

夏目漱石書簡

明治41年(1908)

n16_056    n16_056
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[表]
明治四十一年 一月十日 金 午後十一時―十二時
本郷森川町壱番地小吉館
 小宮豊隆様
   牛込区早稲田南町七
     夏目金之助


[裏]
拝啓又御願が出来候。今日坑夫氏来り又話を聞いたら僕の間違を発見した。シキと申すのは坑の事を、銅山の構内と思ひ違へて無暗に使つたから、大に恐縮して正誤しやうと思ふんだが、君もう一遍九浦先生の所へ行つて原稿を持つて来てくれ玉へ。尤もシキと云ふ字の出初めは銅山へ着したすぐ前からだから此間の原稿の仕舞の方になる。回敷ぢや一寸分らないが、何でも長蔵さんが坑夫に向つて「左がシキだよ」と云ふ所がある。そこからさきを貰つてきてくれゝばいゝ。是は仕舞の方だから一寸持つて帰つても野田君の迷惑にはならない。それから、すぐ直して又持つて行つてもらひたい。どうも度々君子を煩はし奉つて恐縮千万