徳島県文化の森総合公園/とくしまデジタルアーカイブ

徳島県立図書館 森文庫

天児之書(あまがつのしょ)

この翻刻は、『みんなで翻刻』において、翻刻されたデータを使用しております
【コマ1/10】原本の該当ページを見る
天児之書
 
【コマ2/10】原本の該当ページを見る
【右丁文字無し、左丁下部欠落】
【本文は送り仮名を含めカタカナを平仮名で表記、ルビのみカタカナ】
世に天児(アマカツ)【注①】を用る事をお
よくる祓(ハラヒ)の法有しより今に□
作様色〳〵有もの也麻(マテ)作りの祓を
形代かねの人形木の人形芦(アシ)の人形
もの也とそ是を撫(ナデ)物【注②】といひてわけ□
延喜式には是を堀川の蒭霊(クサヒトカタ)【注③】といへり□
はらへなて物の哥に
  沢辺なるあさちをかりに人と
    いとひし身をもなつる□
 
【注① お守りとして幼児のそばに置き、凶事を移し負わせる形代(かたしろ)の役をさせる人形。木や竹で丁字形に作り、首をすげて衣裳を着せる。三歳になるまで用いるという。】
【注② けがれを除くための禊(みそぎ)や祈祷などに用いる。身代わりの人形や衣類。それで身体を撫でてけがれや禍などを移し川に流したり祈禱所などにつかわして祓い捨てたりした。形代(かたしろ)】
【注③ 「クサヒトカタ(草人形)=祭祀の具で、草や藁(わら)で作った人形。漢語で「蒭霊(スウレイ)」と書き、訓読みが「クサヒトカタ」です。ちなみに「蒭(芻に同じ)は「ほしぐさ、ほしわら、まぐさの意。】
【コマ3/10】原本の該当ページを見る
【右丁下部欠落】
 哥には何れおも三那(ミナ)はらひ草と詠(ヨメ)りと□
 世に用侍る源氏物語にも天児は三歳まて□
 大内御川水に祓する草木の作り人形(カタ)哥の
 かはな草と詠(ヨミ)し言葉もはらひ草の
一天児は頭のうちへはらひの法を入れ□
 其上に練衣(ネリキヌ)を着(キ)せ㒵(カヲ)なりなとに□
 形ちをあらはし目口を付髪を□
 のゑやうを書へし耳の□
 付練りにて包み其端しを赤
 
 あし物を払ふと申伝ふなり
一かにとり小袖【注①】又は初着(ウブキ)其外新しき 御衣(オンゾ)を五歳七歳まで
 先つ天児にきせ其の後嬰児めし給ふもの也古も錦(ニシキ)□
 いわゐ子といへり
一みはし揃え色直しには天児の色直し同前也髪置の
 次第【注②】口伝祝言の時は白衣にて輿の先乗りする也三つ目のいわゐも
 縁女同前に色直し有へし
一男子の天児は元服の時常日(ソノヒ)膳を据(スエ)る也扨吉日を控え祝
 儀を添へ祈祷所へ遣す也是は久々守り給ひ目 出度といふ心ざし
 
【注① 貴人の小児に用いた産衣(うぶぎ)。生絹(すずし)の練り絹を薄縹(うすはなだ)に染め、蟹、鶴、宝尽くしなど、縁起のよい模様をつけてもの。】
【注② 小児が初めて髪をのばす儀式。多くは三歳に行い、近世、元禄以降、十一月十五日に定まった。】
 
 
【コマ4/10】原本の該当ページを見る
 なり又後迄おかせ給ふ事も有此時は奥方の天児と
 一所におかせ給ふ事も有
一女の天児は祝言相調ひ三つめのうちは膳をすへ其後二(フタ)
人(リ)の天児を一所にして御寝間にそなへおく也
一天児数年をかさね仕立直す事も有へし口伝
一宮参りの事男子は三十一日め女子は三十二日めに参るへし父は
 三十日過母は七十五日過て宮参り有へし古は五■【障ヵ】(イツヽノツミモノイ?)
 といふて品有り今は供銭(サンセン)供米(ウチマキ)【注】饙(コワイヒ)酒なと也人によりい□【わカ】ゐの
 品々可有事とそ
 
【注 供物供進の一方法。米をまき散らすこと。特に陰陽師の祓(はらい)、禊(みそぎ)、病気、出産、湯殿始(生後三日目の生児に湯を浴びせること)などの時、悪神を払うために米をまき散らすこと。またそのこめ。転じて神前に供える精米をいう。】
 
一宮参の時神楽湯(カグラユ)の花右の内の初つ穂(ホ)を奉るへし祝【一字抹消】の
 規式は程により多少有へし此時の帰りに果報(クハホウ)いみ□□
 旧老の方へ立寄り給ふへ【「へ」抹消】きなり
   天児図 惣長一尺亦ハ一尺二寸
       一寸九分程横木惣長一尺一寸
           五分程
            七分程
             三分程
【図を挟んで左上部】
   㒵ノ丸ミ一尺廻リ亦ハ
   一尺一寸廻リ程ナルヘシ
【下部】
   竹ニ本長サ七寸或ハ九寸
   紙ニテ五寸程包
 
 
【コマ5/10】原本の該当ページを見る
一御伽婢子【おとぎぼうこ】は目出度年寄の方より参らすへし天児を略す時は
 輿の先乗有へし小袖の事天児同前也天児を用る時は婢子
 は略す方も有是は天児の略しなれは事をしるすにおよ
 はす
     御伽婢子の図
  手足身共にねり衣につゝみ内にはんや【注】を入
  惣長(タケ)一尺五寸又は一尺八寸也是より以下有へし
【図】
  髪はわきはつし糸にてこしらへ後へ一つ前へ二つわけ
  金銀にてゆふなり
一宿直(とのい)の犬一対男は左り向きを第一に用ひ御守りを入る也右向には
 何にても翫物(モテアソヒモノ)を入へし女は右向にけはひ【化粧】の道具を入る
 なり宿直の犬なき方は額(ヒタイ)に犬の字を色書(イロカキ)する也
 
【注 パンヤ=パンヤ科の木などの果実から採れる綿毛。蒲団、枕、クッションなどの詰め物として用いる。】
【コマ6/10】原本の該当ページを見る
   とのゐ犬の図
    高頭にて一尺長一尺五寸幅は五寸はりこなり
    大小是ゟ以下又有へし
 
  内へは親子草若松けはらひ【下に図】
  くさ又七草の内を用へし
  もとを包み外にのしつゝみ
  有へし事により台有る
  へきよし
 
  いつれもかうばこの【下に図】
  ことくにしたてたる
 
一女此物を参らせし方へは七夜の時祝儀引き出物有へし
一宿直の犬を用る事犬はよく玉ほこの【「道」の枕詞】道をしり野干【やかん=狐】のあや
 かし【妖怪】を払ふゆへにおさなき方たに用侍る也其かみ白真弓(シラマユミ)日本(ヤマト)
武丸(タケマル)東(アツマ)へいらせ給ふに導ひきの犬ありて軍の功をなし給ふそのゆへに
【コマ7/10】原本の該当ページを見る
 かの神の御社(ミ)熱田(アツタ)九(ク)の御社の内に御(ミ)犬のほこら有て今に人の
 あがむる所也如斯の故にやに今武士の家に専是を用侍る也
一筒(ツヽ)守りの事嬰児宮参の輿の先に懸け緒(ヲ)を片た結ひにして
 懸へき也其外他へ出給ふにも同し事也たゞし怪払草(ケハラヒクサ)を
 一もと添て懸る事有口伝
【左丁図内外説明】
        くわんの緒の長さ一尺五分
        房四寸房き□叶結
        四つ打
 
懸緒五尺七寸五分    掛緒の
八つ打九分廻り     房五寸
  筒の長さ一尺二寸
  わたり二寸五分
  筒錦にて張候也
 
           鈴六寸五分廻り
鈴の緒長さ五寸五分金糸をましへたる房付へし但四つ打也
【コマ8/10】原本の該当ページを見る
 寸法大形如此是より以下段も有へし金物鶴亀松竹家の紋毛(ケ)
彫(ボリ)たるへし舞鶴まひ亀左右の環の金物に付る也
一守り脇指の袋の事地は錦又は金襴袋の緒紅ひ四つ打守袋
 の緒も色同前也但表に東方【「東方」右に棒線】結ひにして房を付也扨脇指袋へ
真(マ)結ひに付へ【へ重複】し袋の緒留様口伝
 
【左丁貼紙の上部】
三寸六分
【貼紙の右】
四寸
【貼紙の外部右左の順】
     竪七寸五分
     打着二寸五分
【貼紙左と下に一部見えている文字=次コマ参照】
 
【コマ9/10】原本の該当ページを見る
【右丁前コマ右丁に同じ】
 寸法大形如此是より以下段も有へし金物鶴亀松竹家の紋毛(ケ)
彫(ボリ)たるへし舞鶴まひ亀左右の環の金物に付る也
一守り脇指の袋の事地は錦又は金襴袋の緒紅ひ四つ打守袋
 の緒も色同前也但表に東方【「東方」右に棒線】結ひにして房を付也扨脇指袋へ
真(マ)結ひに付へ【へ重複】し袋の緒留様口伝
 
【左丁上部の貼紙は前コマ左丁貼紙を逆さにしたもの】
【絵の真下の文字】
緒七□【寸カ】
 

カツ□
【下部】
女子ノ守袋ハ
打着(??)ナク貝ノ
口ニ仕立ヘシ
【右三行の上右から】




 
【コマ10/10】原本の該当ページを見る
  緒ノ長サ三尺一寸但是ヲ二重ニトリ付ル四ツ打
  六分廻リ房三寸程亦ハ房無キモ有ヘシ
 
 右ハ縫(ヌヒ)タテ也大カタ是ニテ考フヘシ口伝
【左隅ラベル】
W386
テン