五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

第三章 解説

第八節 その他

第三項 天誅組の変関連

 中家文書に限らず、市内に残る古文書に直接天誅組と関わった文書は僅かしか見当たらない。この地域が天領・旗本領であったことと関わって、幕末に二転三転する政治状況において様々な社会的政治的思惑・立場・深慮を反映した側面があるのかもしれない。後述する代官鈴木源内の息男の書状が今まで日の目を見なかったのもその一例ではなかろうか。巻子装「文久亥年事変後廻章並書状」〔箱3-409〕には天誅組事変に関連した三〇余通の文書が納められている。『五條市史』には、この三〇余通のうち宛所・村々の刻付・追而書を省略した三通の翻刻文が掲載されている。『五條市史』に紹介されている中家文書の天誅組関係文書のうち、この三点以外は四箇の箱には見当たらなかった。なお〔箱3-409〕の三〇余通の文書には枝番号を付した。以下、上部機関からの指示を通知した廻章と代官所が所持していた御用書物類の取り扱いに関する文書のみを紹介する。その他には浪士の捕縛者名、事件による罹災者への救恤、村々の後支配に関わる風聞、奈良奉行所の触書(八月二一日付の大和行幸中止の触が九月四日に五條に届けられている)などの文書がこの巻子に含まれている。