五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

第三章 解説

第五節 五條代官所

第三項 掛屋・用達・郷宿

 五條代官所の設置に伴って、掛所が陣屋元村に置かれたこと、七〇年余の代官所の存続中掛屋に就任したことが判明している人物は五條村の中屋源兵衛・当麻屋宗八・久宝寺屋藤助・銭屋佐太郎、新町村の森脇屋久兵衛らであることについては既に述べた。掛屋は、代官行政の中で年貢・種々の貸付金・荒地起返の資金・国役金の収納など各種御用金に係る財政的側面において関与する不可欠の存在であった。五條村は代官所所在の陣屋元村であること、中家文書に材木の口役銀制に関した文書が存在すること、大半の期間掛所は五條村に置かれたことなどの諸点の理由から、中家文書を通して掛屋と代官所、村々との関係について触れておく必要がある。掛屋が村々の収納所となって幕府に納める幾種類かの役銀のうち、「大坂御城内御鉄砲合薬御入用銀」・「京都二条御城内外御修復入用縄藁代銀」などについての言及はここでは省略し、大川筋入用銀だけを取り上げたい。併せて、大和一国を揚げての大祭である春日祭礼入用銀と掛屋の関わりを取り上げる。更に掛屋と代官所との間に関わりが見られることから、郡中入用銀についても触れる。