五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

第三章 解説

第五節 五條代官所

第二項 村木行政

 「吉野郡中材木商人共諸書物類取締置候帳箱・鍵」らが錯乱した一件に関わって、黒滝郷・西奥郷々と川上・小川・国栖・中庄・龍門・池田郷との対立・悶着が解決せず、五條代官所における解決が計られた。しかし、代官所は扱い人を指定して内済による示談解決を進めた。その示談成立の済口証文控である。以後の両者は「離組」にし「二株」に分かれること、組限りに行司を立てて「諸向懸ヶ引等」を別々に行うこと、材木・板・樽丸の川下ヶ方はそれぞれが自由に行うこと、諸書物類の両者への仕分けを双方立ち会いで実施することなどの内容である。黒滝郷・西奥郷々側の材木方惣代九名、川上郷外五郷側の材木方惣代五名、取扱人五條村役人二名、須恵村役人一名、馬借問屋一名(五條村彦兵衛は馬借問屋だと考えられる)の一八名が松永善之助五條代官に提出した済口証文〔箱3-354〕であるが、吉野郡の材木史上、材木方が二つに分裂するという大きなこの事件の経過や論点については『近世吉野林業史』に詳しい。なお、差加扱人の一人の須恵村年寄廣吉に関しては後述する。