五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

第三章 解説

第五節 五條代官所

第二項 村木行政

 筏上積檜皮荷に対して、馬借料を課税することが妥当かどうかについての小田又七郎五條代官の質問への、先馬借問屋五條村久兵衛・庄屋源兵衛らの返答書である〔箱1-49〕。
 大和国天野川辺の村々から出荷された紀州熊野三山宮社向修復用の檜皮を筏上積にして五條村を通過させようとしたところ、当時馬借問屋であった久兵衛が、それを差し押さえて馬借料等を徴収した。久兵衛のその主張の論拠は、「先年吉野川上郷村々之もの共と当三ヶ村役人共と京都町奉行所江出入いたし御裁許書」であり、その裁許書に拠るならば檜皮荷は陸荷物であって筏上積荷物に該当しないという点にあった。従って当然「檜皮荷之儀者先年通口銭可取立筋」であるとして口銭とりたての正当性を主張したのである。この「京都町奉行所江出入いたし御裁許書」とは、[3]節で述べた享保二〇年(一七三五)九月に下された「包杉丸太杉樅板杉皮類」の筏上積み通行の認可の一件を指しているらしい。先馬借問屋らの述べるように、「檜皮」が筏上積荷に含まれるかどうかの判断のその後の経過や結論は不詳。