五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

第三章 解説

第二節 五條村

第六項 絵図

 A、B「五條村麁絵図」には町並みのみが描かれており、五條村の田畑山林地の自然的景観や村境が記されていない。しかし「五條村田畑道麁絵図」C〔箱2-14〕は、年代未詳ながら五條村付近の田畑や屋敷・藪・荒地などが色分けされており、町並みと周辺の環境世界の広がりのイメージが僅かながら喚起できる。例えば、東浄川の両岸の田地、西川の河岸の畑地、五條村の東側村境の田畑地、或いは吉野川に沿った南側の荒地が色分けされていて、中心付近の屋敷地と好対照をなしている。寛政元年(一七八九)のことであるが、田の面積が約九町歩あり、そのうち六〇%強が稲作、残りが四〇%弱が木綿作であったことを既に指摘している。なお、伊勢街道から分かれて西口町、南之町から野原村へ向かう西熊野街道の吉野川に面した場所に、やはり鳥居を描くのを忘れてはいない。