五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

第一章 調査の経緯

 中家文書については、昭和三十二年十月の五條市の誕生を機に始まった『五條市史』刊行に伴う調査により、その存在が周知されることとなった。翌三十三年刊行の『五條市史』上巻(編集:五條市史調査委員会、発行:五條市史刊行会)の「歴史 近世」の項で、一部の史料の翻刻や写真が紹介され、その内容は、そのまま昭和六十二年刊行の『五條市史 新修』(編集:五條市史編集委員会、発行:五條市役所)の「通史 第七章 近世」に転載されている。また、天誅組関係の史料は、同時刊行の『五條市史 史料』に翻刻が掲載された。このほか、嘉永二年(一八四九)に描かれた「五條村麁絵図」は、平成元年、五條市教育委員会が五條市指定文化財「五條古絵図」に指定した。
 近年では、藤井正英氏が私家版『五條社会歴史研究』第一集~第五集(平成六年~平成十二年)や『新町と松倉豊後守重政四〇〇年記念誌』(編集:同記念誌編纂委員会、発行:同記念事業実行委員会、平成二十一年)などで、中家文書の分析とそれに基づく考察を述べている。
 しかし、詳細な目録はこれまで作成されたことがなく、全体像は不明であった。教育委員会としても、中家文書を含めた市内の古文書の所在確認、目録作成には至っておらず、平成七年(一九九五)に設置の市立五條文化博物館で一部の古文書を受け入れ、展示するにとどまってきた。