五條市教育委員会/中家文書調査報告書

中家文書調査報告書

序文

 五條市教育委員会では、このたび、『中家文書調査報告書』を刊行する運びとなりました。
 五條市の中心部には、江戸時代の面影を残す町並みが今に伝えられており、その主要な区域の「五條新町」は、平成二十二年十二月、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されました。中家は、その区域の東側に隣接し、江戸時代に宇智郡五條村の庄屋や五條代官所の掛屋・用達などを務めた家として知られ、現在の建物遺構が奈良県指定有形文化財「中家住宅」に指定されています。
 中家の所蔵する江戸時代の古文書・古記録類の一部は、昭和三十三年刊行の『五條市史』などに紹介されていますが、全体像は、長らく未解明でした。今回、ご所蔵者の全面的なご協力を得て、その詳細な目録・翻刻の作成を行うことができた次第であります。
 地域の歴史・文化を明らかにするには、その地に残るハード的な建造物とともに、ソフト的な古文書、風習、行事などの調査が不可欠です。五條新町の重伝建地区とその周辺には、両者がある程度セットで保存されており、建造物の保存修理と並行して、古文書をひも解き、活用することが求められています。
 今回の調査報告書の刊行が、今後の地域史の研究に寄与し、郷土への愛着、誇りを呼び起こす契機になれば幸いと存じます。
 最後になりましたが、貴重な古文書の調査および報告書刊行にご理解を賜わりましたご所蔵者に感謝申し上げますとともに、調査を導いて頂きました藤井正英先生をはじめ、お力添えを頂きました皆様に、心より御礼申し上げます。
 
 平成二十六年三月
 
                             五條市教育委員会
                                教育長 堀内伸起