京都女子大学/京都女子大学図書館所蔵 淀藩士上月家文書

大儀院様御代被仰出書集 壱
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      [画像56~60](翻刻)
 
<翻 刻>
 
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 武道強ミの意地可致思慮事、
一年寄共初番頭以下、諸役人者
 勿論、無役之面々ともニ上下
 位を不乱、礼儀厳重守之、昼
 夜真実之勤仕可有之、其
 志之浅深にしたがひ可有沙汰事、
一不(孝カ)為不弟之輩於有之ハ、可処
 罪科、孝弟之志励、頭者縦ひ
 雖為下人、其進退ニ応し可
 褒美事、
 附り、親々之慈愛ハ、平日之
 教訓ニ不可過候、不慈之面々も
 依其旨趣可加了簡事、
一衣服食物、家老以下器財等
 
  (改頁)
 
 私之奢を慎、法度之旨相守、
 倹約を用ひ、万端分限ゟ一等
 軽ク心掛、常ニかゝり目ニ立候品々
 物寄者可為無用事、
 附り、分限之人をも不致扶助、
 妻子以下身之奉養之ため
 奢り有之、押立候使者等惣而
 晴之勤之節召連候供迠茂、
 見苦敷儀在之ニおいてハ可為
 曲事、
一嫁娶をはしめ祝儀事之節、
 出会一汁三菜、酒三献、肴一種と
 有之儀、先々ゟ掟之旨急度
 相守、且又音信贈答者、互之
 礼儀迠ニ何によらす、軽キ品を
 
 
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 可用之、并婚姻或ハ養子之義ニ付、
 貪りたる作法不可仕事、
 附り結納之義、祝儀弐百石以下
 肴一種、三百石以上、種一荷に限
 へし、聟引出物六百石以上ハ、
 刀・脇差之内一腰可出之、六百石
 以下為道具代銀子一枚ゟ三枚迄
 之内、分限ニ応シ可有之、嫁女之
 諸道具・乗物以下相省キ、右之
 格を以可取斗、都而平日之贈答・
 葬礼・法事等、此趣可相准事、
一成誓約、結徒(党カ)堂、致荷擔、事
 之妨をなし、或落書・落文・
 博奕、或人之善悪評論、正
 途もなき風説、或ハ政法之
 
  (改頁)
 
 是非、不行義之好色、且又
 金銀之手廻シ、其外侍ニ不似合
 事業可相慎、若右件之不行作
 之品を以得批判輩於有之
 者、風俗を破根本ニ候間、遂吟味
 可処厳科事、
一親類縁者諸傍輩等出会之
 儀ハ、忠孝之道及武道吟味之
 ため可在之儀ニ候条、其節
 時刻移候ハヽ、有合之品を以、聊
 不膳、膳一指出候条、急度可相
 守者也、
 
 
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   覚
一番頭之者者、諸士を預置候儀故、
 勤向重ク候之処、組之取扱不
 心掛ニ而、不依何事理非不明
 政事相障り候義於在之者、
 及頭其組可召上候、并者頭以下
 組支配有之面々、平日不詮議ニ而
 取斗不行届候ハヽ、其組其支配
 可召上候条、兼而可得其意事、
一不依軽重頭在之者、其頭/\
 下知を背、法外之儀於有之者、
 犯上之科不可遁候間、仕置可申
 付置事、
一家中之諸士、所嗜置之武具・
 
  (改頁)
 
 馬具等、追而者年々役人を以
 可相改事、
一此度茂借米之内、乍少分相返
 候ニ付、千石以上ハ人馬、千石以下ハ
 下人、如定当時引高之分限ニ応し
 可召仕事、
  附、惣而右高之内、手当在之
  割候間、三百五拾石以上ハ若党
  召連鑓為持候様可致候、巳年
  一ケ年者急度可召置候、尤
  当分又者追々召置候義ハ
  心次第たるへき事、
一御奉公筋者勿論、其外
 押立候用事之時者、其節
 其勤向之諸士如先規、
 
 
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 役ク人可召仕候、兼而致承知可罷在事、
   以上
  十一月
 
元文元辰年十一月廿五日
一今日諸御役人并小役人迄、御書院江
召集、左之通書付、松尾一左衛門申渡之
   覚
 数十年来之御不勝手ニ付、
 御倹約之義、先達而追々被
 仰出候処、御役人一同ニ精力を
 尽相勤、其筋相立、御家中
 御借り米又々五分通り来
 
  (改頁)
 
春ゟ御返被成、御機嫌ニ思食候、
然共各奉存候通、今年者御領分
過分之御損毛、其上金銀替り
米直段不宜、彼是ニ付而只今迄之
御積合ニ而ハ、末々御取続叵被成
筋ニ相立候所を、文金百両を以
行届候様ニとの思召ニ候、左候得者、
享保金百両之内ニ而ハ、凡四拾両斗
之減候、御領分銀納も新銀納
之事勿論ニ候条、右之通不被遊
候而ハ、末々御取続行届兼候、若
御指支も出来、此節迄何茂精力
を尽シ候工面も未熟之様ニ而、
上ニも御心外ニ思召候間、弥改而厳
敷御倹約被遊、万端一入御手軽ニ
 
 
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事々被相省、随分御質素ニ、
御不自由可被遊 思召候間、来年より
御くらし方行届候様ニ、何茂相考
可被取斗候、聊ニ而茂無油断、御費
無之様ニ思慮を加被取扱候心得
肝要ニ候、来春ゟ之御返シ米
被仰出候段ハ、全御役人共之申合
能御倹約相立候故と思召之
為御褒美、御酒・御吸物被下置之候
旨被 仰出候、可被致頂戴候、
右相済、 殿様御出席被遊、
御意被成下、畢而於席々御酒・御吸
物頂戴之事、
 
 
  (改頁)
 
元文元辰年十二月七日
一左之通申渡之
           寄合支配人
一寄合之子共被 仰仕方大様、其
 筋茂相知有之事ニ候間、其趣
 を以芸能相嗜セ、第一書算之
 心掛可為専一事、
一不都合之芸術ハ、致習候之義、
 親々可為無調法事、
一被仰出之旨ニまかセ、何程芸能
 致習候とも、其身不相応之
 筋へ御取扱難被成事、乍然相勝レ
 器用ニ而、其事業熟、衆人に
 ゆるさるゝ者者、各別ニ御取扱
 可有之事、
 
 
      [画像66~70](翻刻)