浜松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ

浜松市史 五

第四章 国際化の進展と新たな課題

第五節 産業・経済

第三項 加工組立工業から先端産業へ

PL法への対処とISOの取得

PL法
 経済のグローバル化とともに、グローバルスタンダードと言われる基準の導入が行われるようになった。平成六年七月製造物責任法、いわゆるPL法(Product Liability)がわが国においても制定された。同法は、もともとアメリカ生まれで、製品によって何らかの被害を受けた消費者がメーカーや流通業者の責任を追及しやすくする法律である。PL法がわが国へ導入された背景には、一九九〇年代に入って、経済のグローバル化の進展とともにヨーロッパの国々が相次いでPL法を制定したことがある。そこで、世界からジャパン・バッシングを受けないためにも同法の制定が必要になった。この法律は製造物の欠陥によって人の命、身体、財産などの被害が生じた場合、製造者の賠償責任を定めたものである。浜松においても、この法律についての対応がとられた。浜松商工会議所では製品の欠陥についての説明会が開催された。また、楽器メーカーが組織した全国楽器製造協会では楽器の取り扱い説明書の中で使用上の注意をより詳細にすることにした。
 
ISO
 さらに、ISOを取得する企業が増えていった。ISO(国際標準化機構)は、昭和二十二年に設立された世界共通の規格などの認定を行う民間の組織である。この規格には、大別すると「製品の規格」と「経営管理組織や管理制度に関する規格」がある。特に、経営管理組織や管理制度に関する規格を各企業が積極的に取得していった背景には、輸出入を行う際、製品やサービスの品質保証のみならず、それを開発・生産・流通していく各過程での保証を求められる場合が多いためである。経済のクローバル化とともに、顧客は取引相手先がISOを取得しているかどうかによって信頼できるかどうかを判断するようになったからである。
 ISOには9000シリーズと14000シリーズなどがある。前者は品質マネジメントシステムが効果的に機能しているかどうかを審査登録機関に評価してもらい、その結果認証を受けるというものである。後者は、別名環境ISOとも言われ、企業活動や製品・サービスの生産によって生じる環境への影響を改善するためのシステムを構築し、継続的に改善を行っているかどうかを評価するものである。
 浜松地域においては、輸出依存度の高い企業や海外に進出する企業が多いため、各企業は積極的にISOの取得を目指した。ヤマハAV機器事業部は、品質管理を向上させる過程で製品のコストダウンの波及効果ももたらすとして、平成六年一月ISO9000シリーズを取得した。CDやVD用の光学部品などを製造しているソニー浜松は、平成五年のISO9002に続いて、同八年十一月にISO14001を取得した。同社は親会社のソニーと連携し、環境に影響を与えるエネルギーや環境汚染物質、廃棄物の削減を進め、全社一丸となって環境改善に取り組んだ結果であった。浜松ホトニクスも、平成九年二月ISO9001と9002を取得した。光電子増倍管をはじめ電子管を製造している豊岡製作所(磐田郡岡村)と天王製作所の二工場において製品の設計から製造・アフターケアまでの品質管理システムについて認証を取得した。本田技研工業浜松製作所の汎用機工場は平成五年十二月にISO9001を、同九年五月にはISO14001を取得した。スズキは、平成十年七月にISO14001を取得した。取得したのはワゴンRをはじめ、アルト、カルタス等を生産する主力工場の湖西工場である。そのほか、電子機器やソフト開発を行っているシステック(新都田一丁目)は平成九年四月に、総合建設業の須山建設(布橋二丁目)は同年十月に相次いでISO9001を取得した(『静岡新聞』平成九年四月十日、十月二十五日付)。