浜松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ

浜松市史 五

第四章 国際化の進展と新たな課題

第四節 宗教・倫理

第五項 政教分離の原則

習俗を生きる

 老若男女の人生に伏在する喜怒哀楽のうちでも、病気や負傷、あるいは死亡などは人智の及ばない領域として、神仏にすがり無病息災を祈ることになる。
 
追儺式
 平成五年二月九日付記事では、二月二日に八幡町浜松八幡宮で、節分前夜の厄払い行事である追儺式(ついなしき)が初披露され、氏子代表らが古式の装束を着け、「鬼やらい」とも呼ばれる伝統的儀式を再現したことを報じている。天狗と地元小中学生が扮する稚児らが邪鬼を追い払うものである。紋付き袴姿の東関親方(元関脇高見山)の特別参加を得て福豆を撒き節分を祝った。平成九年二月三日付の記事では、浜松八幡宮追儺式(第五回)のにぎわいを報じている。
 
五社神社 諏訪神社
 平成六年四月二十八日付記事では、五社神社 諏訪神社徳川秀忠産土神を祭る由緒から、現在では命名・七五三結婚式場などで市民に親しまれ、子らの成長を祈願する神社であり、初詣客が破魔矢を求める神社(平成六年十二月五日付の記事は、その縁起物製作にいそしむ報道写真と記事を掲載)であると説明している。
 
茅の輪くぐり
 平成十二年七月二日付記事では、元魚町松尾神社で毎年催される「茅の輪くぐり」の行事を報じた。これは律令制下で執行されてきた六月三十日に行う祓行事で、夏越祓(なごしのはらえ)・名越祓、六月祓(みなつきのはらえ)、あるいは茅の輪くぐりなどと呼ばれるもので、夏季に流行する疫気や罪穢を払うものである。松尾神社の氏子は近世浜松宿以来の、市の中心部の住人という伝統を有し、参詣者は鳥居に設営した茅輪をくぐるという行事である。なお、市内の多くの神社でも恒例行事として営まれるが、天王町大歳神社でも「夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)」が六月晦日に行われている(平成四年七月一日付記事)。
 
虫送り
 平成八年八月十日付記事では、金かな折おり町の津島神社の「虫送り」行事を報じている。これは主に稲について虫害をもたらす悪霊を地区外へ追い払う呪術的な行事である。津島神社の氏子らは神前で家内安全・五穀豊穣を祈願する神事の後、昨年の御札を青竹製の舟に納め、金折町の住民がたいまつを連ねて安間川の堤防の上を練り歩き、最後は河原に運ばれた舟にたいまつを集め、燃すのである。かつては舟を川に流し、疫病や虫害を地区外に押し出したものであったが、今日では環境問題の観点から河原での焼却となったという。

図4-26 松尾神社茅の輪くぐり