浜松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ

浜松市史 三

近代編

第二章 近代浜松の基礎

第二節 殖産興業と地域の開発

第三項 金原明善と治山治水

植林と製材

 1 天竜木材株式会社 四十年四月創立、明善門下の鈴木信一竹内竜雄平野又十郎中山誠一稲勝清三郎が名を連ねている。これは明善と交友のあった熊谷三郎馬らが明治十六年半場村(当市材木町)に開業経営した合本興業社をひきついだ(天)天竜製材店(設立明治二十八年十月)の系統をひく会社である。

天竜製材株式会社

 【製材業と掛塚】浜松地方の近代的製材業は掛塚港を中心にして発達した。明治八年弥助(やすけ)新田(当市三新町)に鈴木小平次鈴木民蔵九鬼文十郎らが産業社を創立し、蒸気力による竪鋸・丸鋸各一台を備えて操業を始めたのが最初といわれている。九年に掛塚港の大束屋・川島平次郎が、十一年には掛塚港の中文および松下文治郎がつづき、合本興業社の設立となったのである(『金原明善』)。この時代はインフレ景気がおこり全国的に企業熱や投機熱が勃興し、銀行や会社が濫立された時代であった。