浜松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ

浜松市史 ニ

第四章 浜松藩の確立

第三節 浜松藩領の成立と他領

浜松地方の天領・旗本領・寺社領

 天領を支配するのが代官であり、元禄期の代官の管轄区域は前述の領主分布表から察せられる。【市野氏 惣太夫 浜名代官】近世初期の浜松地方の代官としては、中泉(なかいずみ)村(磐田市)の秋鹿家市野村(当市市野町)の市野惣太夫家が注目されるが、ここでは後者について述べる。『新訂寛政重修諸家譜』によると、市野氏の先祖は近江の浅井氏の一族で、真久(さねひさ)(惣太夫)の時(永禄年間)から家康に仕え、とくに馬のことにくわしく(『駿府記』に「慶長十六年十月一日、遠江国住人市野、生姜を献ず、すなわち御前に召し……牧馬の談あり、市野馬を知ればなり」と)馬掛りとして活躍し、慶長五年(一六〇〇)遠江の代官となり浜名十郷その他を支配し(『随庵見聞録』に浜名代官「浜名十郷辺ハ慶長五年ハ堀尾殿領浜松分、同六年ノ暮ヨリ市野五郎右衛門殿御代官九年之勤」)、慶長九年には長上郡市野村のうちで十七石余の屋敷地を賜わり、その後家号を市野と改めた。元和二年死去(市野村宗安寺に葬る)するや、代官職と惣太夫の称号は実次(さねつぐ)・実利(さねとし)・真防(さねあき)とうけつがれた。寛文のころの市野・秋鹿両代官支配地の一端を上表に示そう。
 
村名石高家数天領(公料)浜松領旗本領備考
市野894118代官市野惣太夫488
笠井新田52862
石原22835
寺嶋38157
新寺嶋18429
石田61594126代官市野惣太夫相給
安間新田24代官秋鹿内匠
木平(貴平)47031
善地13648
浄光961642代官秋鹿内匠54相給
片草621126(8軒)〃35(3軒)
宇布見1084684(97軒)〃400(72軒)
神ヶ谷78666144110,232,200〃旗本3人