中津川市/古文献アーカイブ

中津川市史 中巻Ⅱ

第五編 近世(二) -関ヶ原戦から明治維新まで-

第九章 幕末の中津川

第四節 苗木領政の動揺と改革

一 財政の窮迫

さきにみたように嘉永三年(一八五〇)の一〇か年平均の歳出入についても約一〇〇〇両という赤字財政は、累積され深刻なものとなっていた。因みに弘化四年(一八四七)の借財残高な同年五月の「借財取捌帳」によると、二万四四七六両三分となっている。
 また明治三年(一八七〇)の「藩債取調帳」によれば天保六年(一八三五)から明治三年(一八七〇)までの借財高(未返済分)はⅨ-11表のようである。
 この表は借入金のうち返済金を差引いたその残高を示したもので、従って実際にもっと多くの借財のあったことは想像される。この表によって天保期以降の苗木遠山家の苦しい財政と同時に、領主が若年寄に在勤した年度に借財の増大していることを窺(うかが)うことができる。
 したがって財政窮迫を解決することが苗木領では最大の課題であった。

Ⅸ-11 年次別借財高