中津川市/古文献アーカイブ

中津川市史 中巻Ⅱ

第五編 近世(二) -関ヶ原戦から明治維新まで-

第七章 文芸・教育

第一節 文芸

二 俳諧

互融坊の一周忌供養句会に、九世友左坊は門弟の璃友、湖友を伴い宗泉寺を訪れている。この時板行した句集「花の手向」(岐阜県立図書館蔵)によれば友左坊は香をたき、弔文を捧げて礼祥し、三六人で歌仙行を巻いている。
 
    哥仙行
 ともに見し花をは今年手向とハ 友左宗師
  いくはくの恩したひ弔ふ春     嘯 和
 陸よりも船路は水の和らきて     巴 文
  音たちもせす風のそよ/\     璃 友 (下略)
七句目の月の句を湖友、一七句目の花の句を右狂、最後の揚げ花を素涼が巻きそのほかの人々は、素蘭・茶好・兎乙・魯洲・巴孝・東烏・柳甫・至交・巴鳰・錦河・琴之・倭通・可樵・霞悠・由甫・一桴・裏兮・三寄・廬仙・里鶯・豊路・聴古・霍翅・霞柳・廬玉・裏寛・文兮・松巴・左逸ら互融坊を慕う俳人たちである。風兆は江戸から書信を送っている。                      (前書略)
 指折れは思もてらせ弥生空    白鶴樓主雅公
  名はかり薫る花の営ミ          琴和坊
 笑ふ山/\も芳野のつゝきにて       友左坊
 
 その他文通一五句、巻末は<育られし花のミならす恩の手向 花岳庵嘯和>と結び、別号十回庵(とかへりあん)の因である香道、黄熟香(こうじゅくこう)の十返しを披露し精進料理で閉会している。

Ⅶ-22 花の手向(県立図書館蔵)