中津川市/古文献アーカイブ

中津川市史 中巻Ⅱ

第五編 近世(二) -関ヶ原戦から明治維新まで-

第五章 林業

第一節 林政と林業経営

二 林野制度

管理・収益が主として個人的なものを私有林と考える。個人の山林としては百姓持林がある。この百姓持林は、岩村領・苗木領・尾張領いずれの領内にもあったことがわかる。山林の管理が厳重であった湯舟沢村でも、前述したように享保九年(一七二四)までは、耕地・屋敷近くに控林として木材・茂草の採取の独占が認められていたことが、山絵図に享保度林として残っていることから容易に考えることができる。百姓の持林について起源は不明であるが、元禄一六年(一七〇三)岩村領阿木村・同枝村広岡新田・飯沼村・同枝村大野村の「差出帳」によってみると、百姓家数に比して持林は多くみえるが、持林数は延数であり、一人で数か所を所有する者もあるので、持林即所有者ではない。このことは持藪についてもいえる。今、阿木村についてみると、持林を持つ農民数(所有者数)は一二六人で、二〇七か所を持つということになる。その所有面積別にみると一アール(一畝)以下は約六%程度で、一〇アール(一反)以下が約半数、五〇アール(五反)以下で約八三%を占める。しかし、一ヘクタール(約一町歩)持つ者も三名程いる。
 持藪については七九か所あるが、所有者数六五名で持林に比べて面積は少なく、一アール以下が全体の約五四%、五アール以下が約九二%に達し、一〇アール以上は一名のみである。また、竹を種類別にみると小竹が最も多いことがわかる。

Ⅴ-5 尾張領内百姓持林


Ⅴ-6 岩村領百姓持林・持藪


Ⅴ-7 阿木村百姓持林所有状況


Ⅴ-8 阿木村百姓持藪所有状況


Ⅴ-9 阿木村藪竹種類別面積