NPO長野県図書館等協働機構 信州地域史料アーカイブ

7.教育、人物・伝記

■木曾山林学校々友會報 第一號 [翻刻・ルビ・注記] 

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農業の実習は別つて2種として居(お)りますが、一は水田の実習で一は畑の実習であります。水田の実習地
 
  (改頁)
 
は西筑摩郡役所前にある反別3畝15歩の土地を充てゝ居ますが、此地は元来田なりしを、近年畑として使用し来たりしを以(もっ)て地盤粗鬆(そそう:あらくすき間があること)なるが為(た)め、水持ち悪しくして往々(おうおう:くり返し起こるさま)乾燥するの憂あり。去る4月28日、苗代の整地をしまして皆丹尺(注36)苗代として折衷苗代(注37)と水苗代(注38)の2種とし播種しましたが、其種類・期日・種子分量・選出産地等は左の如(ごと)し。
折衷苗代の分
 播種月日   種類  分量  産地
 4月28日  見帰坊主 3合
 4月28日  上州   3合
 4月28日  白櫛田  3合
水苗代の分
 4月29日  大宝   4合  田立村
 同     川合坊主 3合  福島町
 同     木曽錦  3合  木祖村
 同     見帰坊主 3合  福島町
 同     上州   3合  長野県農事試験所
 同     関州   3合  田立村
 同     大和錦  3合  福島町
 同     よしだ  3合  木祖村
 同     甲州   3合  大桑村
 同     三島   3合  大桑村
 同     渋さらい 3合  木祖村
 同     白櫛田  3合  長野県農事試験所
 同     栃木   3合  木祖村
 同     野沢早稲 3合  長野県農事試験所
 同     神田坊主 3合  大桑村
2種類即ち折衷、水苗代共4月28日、29日の両日を以て播種したり。其後ち6月7日本田を踏み、同8日再び之れを踏みて整地して、又丹尺形に間隔5尺宛に区切りて各種類を植え付けたり。其種類により甚だしく分蘖(ぶんげつ:注39)したるものは2本より3本4本5本6本位迄あり。之等(これら)の苗は播種後本田に移植する迄に何れも40日を経過したるものなり。
畑実習地は本校北側に接したる反別4畝28歩の地を以て充てゝ居ますが、今其地に栽培したるものは左の如し。
 播種月日    種類     産地
 4月15日   大莢豌豆   仏国(フランス)
        (オオサヤエンドウ)
 4月28日   大越瓜(注40)
 
  (改頁)      画像26
 
 同      南瓜(カボチャ)(砂川)
 同      同       (縮緬)
 5月1日   午房(注41) 地方種
 同      同      滝川
 5月2日   菖苣(注42)
 5月3日   夏大根
 5月4日   藷薯(ショショ:注43)
 5月8日   扁蒲(ユウガオ)
 5月9日   菜豆(インゲンマメ) 札幌
 同      下仁田葱(シモニタネギ)
 同      新早生(シンワセ)菜豆
 5月10日   里芋
 5月18日   甘蕪(注44)
 同       同
 5月20日   白大豆(シロダイズ)
 5月22日   大麻(タイマ:麻のこと) 北海道
畑作物は此外に蕪菜(カブナ)ありて皆充分の生長をなしつゝあり。而して是等実習地に於ける害虫駆除・施肥・保護等に関する諸般の作業は、皆生徒より当番を定めて順次之れが任に当るのであります。