NPO長野県図書館等協働機構/信州地域史料アーカイブ

7.教育、人物・伝記

長野師範学校は初めて学年・学期を定め、開業式・卒業式を挙行

[ルビ・注記]

○長野県師範学校卒業証書授与式 本県
の師範学校にては、是迄学則の定限なかり
しゆへ、卒業せるもの数多(あまた)ありたれども、其
期月定りなく臨時に数人づゝ出る都合な
りしが、近頃其規定も追々整頓し、昨年校則
改□の節、学年を九月一日より七月二十日
迄と定め分けて、前後の二□期となし、前学
期は九月一日より二月十五日迄とせられ
たり。□月は校則改正後初めての学期の終
りなれば、卒業並に学期試業を施行せられ、
明十五日には卒業証書及び進級証書の授
与式を行はるゝ由、当日は県令(けんれい)大書記官(だいしょきかん)に
も臨席せられて、親しく□式を見らるゝと
云ふ。因(より)て思ふ、此盛事は我県下に於て是迄
なき事なれば、教育に従事せらるゝ人々は
固(も)とより、自余の諸彦(しょげん)(注1)も絡麾(らくき)(注2)参観あらば、本
県文運の進風奠(すすむ)□此佳境(かきょう)に至りしかの歎
美あるは、吾儕(ともがら)(注3)期して保引(ほいん)する所なり。
 明治十六年二月十五日長野県師範学校
 第壱学年前期卒業証書授与式手続
第一 午前九時職員教員生徒参観人一同
   講堂ニ入ル。
第二 大野県令鳥山大書記官着座。一同敬
   礼。
第三 奏楽〔大和撫子(なでしこ)〕〔思出れバ〕 本校生
   徒之ヲ奏ス。
第四 校長能勢栄演説並ニ本学期ノ成蹟
   ヲ報告ス。
第五 校長能勢栄卒業証書並ニ各級進級
   証書ヲ授与ス。
第六 卒業生長野小学生徒ヲ率テ講堂ニ
   入ル。此時進行曲ヲ奏ス。
第七 奏楽〔見渡セハ〕〔我日本〕長野小学
   生徒之ヲ奏ス。
第八 卒業生田村豊穂、脩身ヲ教授ス。
第九 卒業生青柳由平、読方ヲ教授ス。
第十一 卒業生永井総吉、唱歌ヲ教授ス。
第十二 卒業生山本繁治、小林辰之助、体操ヲ教授ス。
第十三 奏楽 若紫 〔霞カ雲カ〕〔蛍ノ光〕
第十四 長野小学生徒退場ス。
第十五 教諭塩谷吟策演述
第十六 卒業生総代小野彪治郎(ひょうじろう)答辞ヲ朗
   読ス。
第十七 卒業生総代青木仙松謝辞ヲ述フ。
第十八 大野県令祝辞ヲ述ブ。
第十九 奏楽 〔五常〕〔蛍ノ光〕
第二十 一同退散               (畢)
  二月十五日           長野県師範学校 
        (『信濃毎日新聞』明治十六年二月十四日)
 

(1)何人もの立派な男子
(2)麾(さしずばた・大将の持つ旗)につながる。
(3)仲間、同輩