NPO長野県図書館等協働機構 信州地域史料アーカイブ

5.繁盛記、社史、産業の記録

別所温泉誌 [解説] 

 「蠶卵紙、繭、生糸、及び各種の絹織物を出す其内蠶卵紙は尤も佳品と称せられ他郡他国へ輸出」と書かれています。各地の農村から湯治客が訪れていたのでしょう。優良な蠶卵紙(蚕の卵が産みつけられた和紙)の紹介をしています。《名勝寺社》にある氷澤の「風穴」は、天然の蠶卵紙貯蔵庫でした。別所温泉案内にまで蚕種のことが書かれているのは明治三十年代、「蚕都上田」の奥座敷として別所温泉が認識されていたからでしょうか。
 松茸は現在でも別所の名産ですが、当時は岩名もとれ、とくに「美なり」とあります。