NPO長野県図書館等協働機構 信州地域史料アーカイブ

5.繁盛記、社史、産業の記録

別所温泉誌 [解説] 

 まず、男神岳を紹介しています。男神岳は夫神岳、出浦富士ともいい、山頂に九頭竜神社があり、雨ごいの神として祀られています。現在にも続く「岳の幟」の祭式が行われていたことが書かれています。
 次からは、たくさんの名勝社寺を詳しく紹介している。なかでも異色のものは「氷澤」と「征清殉死之碑」です。
 「氷澤 冬暖かにして夏時は三伏の盛暑と雖も尚氷雪あり、故に風穴を穿ちて蠶卵紙を貯蔵す」―この氷澤は、現在は利用されていませんが、整備され見学できる「別所風穴」がある所です。
 「征清殉死之碑 明治二十七、八年征清役中に死亡せる兵士の吊魂の碑なり・・・」―これは日清戦争に従軍し戦死した兵士を祀った碑です。本書が出版される四年前の明治二十九年に建てられています。したがって、この碑は三年ほどで名勝として認識されていたことになります。この項の最後には「別所八景」が挙げられていますが、現在にも生かせるでしょうか。