NPO長野県図書館等協働機構 信州地域史料アーカイブ

4.地域の記録

■真田氏関係資料 パスファインダー&目次検索 10.真田関係資料目次 

「真田史料集」の翻刻について

「先公実録」は、信濃国松代城主真田氏が編集した家史で、重臣河原綱徳を編纂主任とし、六ヵ年を費して天保十四年十二月に正篇が完成した。内容は一徳斎殿(真田幸隆)実録稿三巻・信綱寺殿(信綱)実録稿一巻・長国寺殿昌幸)実録稿十四巻・寒松院殿(昌幸夫人)実録稿一巻・大鋒院殿(信之)実録稿二十五巻・大蓮院殿(信之夫人)実録稿二巻・円陽院殿(信政)実録稿五巻・天桂院殿(信吉)実録稿六巻・左衛門佐君(信繁)伝記稿一巻、目録一巻、計六十二巻、ほかに附録の地図等が十六本であった。ひきつづき続篇が編集され、河原綱徳が途中で死去したため飯島勝村がひきつづいてその任に当り、明治八年、大鋒院殿実録続編八巻・天桂院殿続編一巻・円陽院殿実録続篇二巻・伊賀守君(信利)伝記一巻・付録図が完成した。
 本書は現在真田宝物館に所蔵されるほか、一本が県立長野図書館に所蔵されている。これは、最後の編集者飯島勝村が手許に止めておいた清書本が、勝村の孫にあたる飯島忠夫氏(漢学者。学習院教授。文学博士)の遺志により、同氏の遺族から長野図書館に寄贈されたものである。「真田史料集」は、この「先公実録」のなかから、おもに幸隆・昌幸・幸村(信繁)、いわゆる真田三代の伝を抄録したものである。全部を収めきれないので、適宜省略し、また信綱・信之等の伝記の一部を加えた。
「先公実録」は、その例言にもあるように、俗書は採らない主義であったが、何分にも史料批判の学問の進んでいない時代の編集であり、しかも編者が専門学者であったわけではないから、甲陽軍鑑・川中島五戦記・沼田記・滋野世記・真武内伝等、江戸時代の編集本を多く掲載しており、日本外史等、時代の降るものまで引用している個所もある。いっぽう、真田藩内はもちろん、関係各地の文書を広く採訪してあり、編集者が見ることのできた文書はつとめて影写したまま掲載するなど、良心的な編集態度を示している。したがって本書の内容は、いわば玉石混交であるが、俗書いっても、史料的価値が皆無であるわけではなく、また軍談の発達していく過程を示すものもあると考え、一概に削除しなかった。史実と異る記載については、注につとめてその旨を明記しておいたから注意されたい。
 本書は県立長野図書館本を原本とし、真田家旧蔵本を以って校合した。古文書等で「信濃史料」が原文書から収録しているものについては、「信濃史料」で校合したものもある。
  昭和41年3月   校注者 小林計一郎
 
 
 校注者 小林計一郎
 発行者 菅英志
 株式会社 新人物往来社 東京都
 昭和60年7月15日発行
 
 
目次

一徳斎殿御事蹟稿(真田幸隆伝)………9
上之巻
 御事蹟………10
 御 父………16
 御 母………18
 御内室………22
 上州御客居………27
 御本領御安堵………34
 御武略 上………37
中之巻
 御武略 下(岩尾城の戦)………46
 上田原合戦………56
 海野平合戦………63
 景虎二度目出勢………65
 景虎三度目出勢………65
 桔梗原合戦………71
 川中島合戦 上………71
下之巻
 川中島合戦 下(川中島大戦)………80
 雑 記………113
 古書翰………115
信綱寺殿御事蹟稿 全(真田信綱伝)…119
御事蹟………120
御内室………123
御子息………131
御判物………134
兵部亟君伝記(真田昌輝)………136
隠岐守君伝記〔真田信尹〕………136
事蹟雑記(抄)………141
長国寺殿御事蹟稿(真田昌幸伝)………145
巻之一
 御事蹟………146
 御内室山之手殿………163
 御子息………163
巻之二
 本州川中島合戦御初陣………172
 相州三増峠合戦………175
 駿州花沢城攻………176
 豆州韮山合戦………176
 上州吾妻郡岩櫃城御旗下に属す………177
 遠州高天神城兵粮入………193
 上州利根郡沼田御旗下に属す………194
巻之三
 海野能登守・同中務御誅伐………202
 沼田平八郎景義滅亡………206
 沼田御帰城………208
 甲州新府中造営………211
 武田家滅亡………212
巻之四
 暫く織田家に属せらる………216
 甲信上の諸士、御麾下に属す………217
 上杉家に御従属………230
 北条家に御従属………231
 徳川家に御従属………234
 津久田迫合………241
巻之五
 北条氏邦、兵を沼田に出す………242
 室賀御成敗………244
 上田城御拝領………248
 徳川家と御手切、上田御守城………254
巻之六
 神川合戦 上………259
巻之七
 神川合戦 下………274
 鞠子合戦………276
 北条勢沼田城攻め………279
 遠州勢上田陣払………280
巻之八
 豊臣家へ御従属………288
 徳川家に御帰順………291
 沼田城を北条氏に致さる………294
 小田原征伐先鋒………303
 上野国諸城没落………307
 碓氷峠合戦………308
巻之九
 慶長之役御父子御引分………311
 西軍将帥諜状………315
巻之十
 御守城評義………326
 虚空蔵山砦御乗取………327
 上田合戦………328
巻之十一
 関東勢上田陣払………336
 高野山御蟄居………338
巻之十二(以下は御判物、御朱印等なり。省略す)
寒松院殿御事蹟稿(真田昌幸夫人伝)適宜抄録………343
大鋒院殿御事蹟稿(真田信之伝)適宜抄録………345
左衛門佐君伝記稿(真田幸村伝)………347
巻之一
 事 蹟………348
 幸村の室……… 353
 子 息………356
 春日山勤番………363
 小田原征伐………367
 慶長之役………367
 大坂入城………367
 大坂之役冬陣………378
巻之二
 和 睦………401
 夏陣 上………410
巻之三
 夏陣 下………429
巻之四
 雑 記(抄)………436
 大助君伝記………445