NPO長野県図書館等協働機構 信州地域史料アーカイブ

2.紀行文・道中記、地誌

■善光寺道名所図会 [現代訳] 善光寺道名所図会 巻之一 

   画像23右  翻刻
 村井宿は、松本へ1里半、南北6町ほどの宿場通りです。民家が多く、町裏にも散在しています。宿の入口左側に神明の杜があり、ここの本居神です。伊勢両皇太神を勧請し、例祭は6月16日、神主は永持越中といいます。
 ここから西3丁の社の中に椿太明神社があります。祭神は猿田彦命で、天正18庚寅年(1590)豊臣家の時に六石の地に属せられました。例祭は6月15日です。村井を出て富士見橋側に次のような句碑があります。
 信濃なるふじ見橋をこゆる日ハ、雨ふりて山みな雲にかくれたり
 霧しくれ富士を見ぬ日そおもしろき はせを(芭蕉)
 この句は、芭蕉翁の袖日記にあり、東海道の句です。疑ってみれば、橋の名がめでたいことを思ってここにあげたのではないか、この場所から富士山を見ることができないからです。
 それより平田村を越し、間宿(あいのしゅく)の出川町(いでがわまち)にでます。長さ4町ほどの宿場です。また、新長屋という村を経て筑摩川(いまの薄川)の橋を渡って松本の馬喰町(博労町)に入ります。