石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第六章 經濟交通

第一節 貨幣

[元金澤藩札 元大聖寺藩札]新貨比較通解
   元金澤藩札之分               ┃   元大聖寺藩之分              
  名稱   新貨價格名稱          ┃  名稱   新貨價格名稱         
 十貫文札は 五十錢七厘に改むべし。       ┃ 五貫文札は 二十一錢に改むべし。       
 五貫文札は 二十五錢四厘に改むべし。      ┃ 一貫文札は 四錢二厘に改むべし。       
 三貫文札は 十五錢二厘に改むべし。       ┃ 五百文札は 二錢一厘に改むべし。       
 二貫文札は 十錢一厘に改むべし。        ┃ 三百文札は 一錢二厘に改むべし。       
 一貫文札は 五錢一厘に改むべし。        ┃ 二百文札は 八厘に改むべし。         
 五百文札は 二錢五厘に改むべし。        ┃ 百文札は 四厘に改むべし。          
 三百文札は 一錢五厘に改むべし。        ┃ 五十文札は 二厘に改むべし。         
 二百文札は 一錢に改むべし。          ┃ 二十文札は 二枚にて二厘に改むべし      
 百文札は 五厘に改むべし。           ┃ 十文札は 三枚にて一厘に改むべし。      
 五十文札は 二厘に改むべし。          ┃                        
 一、前條之通改稱致し候に就而は、從來舊金貨[金何兩何分何朱、或は 永何百何拾何文の事也]舊貨[正錢何貫何百何 拾何文の事也]曁び舊錢札名稱を以て取遣り相定有之候分は、左之算則の比較略解表等に依り、夫々新貨價格名稱に引直し計算相改事。

計算略則 第一則
 一、從來一廉金何分何朱、或は永何百何十何文何分の數額を以て、上下の取遣り相定有之分は、金三朱或は一朱は永に直し、永何分の位は五捨六入を用ひ、總て左の比較略解表に依り、新貨價格名稱に引直し計算相改。例へば今玆に、全二十一兩二分三朱と永四十五文の數額あれば、之を左の比較略解表に依り新貨名稱に引直せば、新貨二十一圓七十三錢二厘と成るが如し。

比較略解表
 舊金貨各種名稱   新貨價格名稱        ┃ 舊貨各種名稱   新貨價格名稱       
 金一兩は   一圓に改むべし。         ┃ 永一貫文は  一圓に改むべし。        
 金三分は   七十五錢に改むべし。       ┃ 永百文は   十錢に改むべし。        
 金二分は   五十錢に改むべし。        ┃ 永十文は   一錢に改むべし。        
 金一分は   二十五錢に改むべし。       ┃ 永一文は   一厘に改むべし。        
 金三朱は   十八錢七厘に改むべし。      ┃ 永何分は   五捨六入を以て、六分以上なれ  
 金二朱は   十二錢五厘に改むべし。      ┃        ば新貨一厘に刎込み、六分に滿  
 金一朱は   六錢二厘に改むべし。       ┃        たざれば、刎捨計算すべし。   

第 二 則
 一、從來一廉正錢調、何十何貫何百何十何文の數額を以て、上下の取遣り相定有之分は、壬申六月曁び七月兩度御布告の算則、金一兩に付十二貫文替を以て、金何兩何分と永何百何十何文何分に引直し、[金は何分にて止 め、餘は皆永に][直し計算すべし。 以下倣之。]然る上更に第一則の比較略解表に依り、新貨價格名稱に引直し計算相改。例へば玆に正錢調九十四貫八百八十九文の數額あれば、之を御布告の算則、十二貫文替を以て金に直せば、金七兩三分と永百五十七文四分となる。これを第一則の比較略解表に依り、新貨に直せば、新貨七圓九十錢七厘と成が如し。
 一、今後右樣正錢の數額を以て相定候分は、左の比較略解表に依り、比例の如く各種の品類を分ち、各其枚數に就き新貨名稱に引直し、先一種の數額を擧げ、然る上合して一廉の數額を改定して計算すべし。

比較略解表
 舊貨各種名稱    新貨價格名稱       ┃ 舊貨各種名稱   新貨價格名稱       
 天保通寶は   八厘に改むべし。        ┃ 文久永寶は   一厘半に改むべし。      
 寛永波錢は   二厘に改むべし。        ┃         但是は二枚或は四枚、總て丁  
 寛永通寶は   一厘に改むべし。        ┃         數の枚數を以て計算すべし。  

計算比例
 舊貨品類   同各種の枚數   同各種の新貨數額
 天保通寶を   百五十七枚は   一圓二十五錢六厘となる。
 寛永波錢を   三百八十八枚は  七十七錢六厘となる。
 文久永寶を   八百九十六枚は  一圓三十四錢四厘となる。
 寛永通寶を   千三百六十二枚は 一圓三十六錢二厘となる。
 右四種を合計して、一廉の數額四圓七十三錢八厘となるが如し。

第 三 則
 一、從來舊錢札何十何貫何百何十何文の數額を以て、上下の取遣り相定有之分は、去る辛未七月十四日舊より大藏省へ屆相場、金一兩に付、元金澤藩札十九貫七百九文、元大聖寺藩札二十四貫文を以て、金何兩何分と永何百何十何文何分に引直し、然る上更に第一則の比較略解表に依り、新貨價格名稱に引直し計算相改。例へば玆に、○元金澤藩札五十六貫七百八十九文の數額あれば、これを十四日相場にて金に直せば、金二兩三分と永百三十一文四分となる。是を第一則の比較略解表に依り、新貨に直せば、新貨二圓八十八錢一厘と成るが如し。○元大聖寺藩札九十八貫七百六十五文の數額あれば、是を十四日相場にて金に直せば金四兩と永百十五文二分となる。是を第一則の比較略解表に依り、新貨に直せば、新貨四圓十一錢五厘となるが如し。
〔新貨比較通解〕
かくの如く布告せられしに拘らず、尚新貨一圓に對し錢札十九貫二百文内外に通用せしを以て、石川縣は同年十一月五日更に規定相場を以て通用すべき注意を喚起し、六年五月大藏省紙幣發行の太政官新札と引換を行ひ、新貨價格五錢未滿の小札は證印を加へて尚暫く通用せしめたりしが、八年五月に至りて全部の引換を了せり。