石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第六章 經濟交通

第一節 貨幣

天保四年以降封内飢饉あり、七八年に至りて最も甚だしく、錢貨相場漸く上昇して、預銀手形百目に對し錢六貫文餘となる。依りて八年七月十八日預銀手形百目代錢十貫文の定相場となし、小指(コザシ)を止むべきを令せり。然るに錢貨拂底の極、市中の兩替商等皆營業し能はざるに至りしを以て、彼等はに請ひて、各自百文より一貫文に至る輕便の預錢手形發行せしも、錢貨は尚依然として市場に現はるゝに至らざりき。こは全く錢貨の定相場なるに源因するものなるを以て、十月廿四日は再びその相場を變動して小指を許したるに、果して錢貨の流通を見るに至り、是と共にその相場も亦漸く下落したりしかば、兩替商發行預錢手形は自から跡を絶つに至れり。