石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第六章 經濟交通

第一節 貨幣

預銀手形の相場正銀よりも稍廉にして、金一兩に對し預銀手形六十八匁を普通とせり。然れどもその甚だしく低下せる場合にありては、天保三年七月の如く、預銀手形八十三匁を以て金一兩と交換せしことあり。預銀手形錢貨に對する比例も、亦金貨の錢貨に對する比例と必ずしも一致することなし。即ち金一兩は錢四貫文なるが故に、金一兩に付預銀手形六十八匁の相場なるときは、預銀手形百目に付錢五貫八百八十二文となるべき計算なれども、嘉永中金一兩預銀手形札六十八匁なる場合に於いて、預銀手形百目錢六貫五百二十八交換なりし實例を見る。而して明治四年七月廢の際に於いては、金一兩に銀札百九十七匁九厘に下落したるが故に、同六年五月政府が舊銀札新貨幣と交換したる時には、金一兩を新貨幣金一圓に宛て、前記四年七月の相場に基づきて、銀札一匁を新貨幣金五厘に兌換せり。