石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第六章 經濟交通

第一節 貨幣

加賀藩銀札通用を命ずるや、その職員に銀札奉行を置き、御算用場奉行前田源五左衞門・馬廻頭稻垣三郎兵衞・町奉行青地彌四郎を以て之に當て、次いで町奉行津田宇右衞門・御先手物頭津田林左衞門を加へたりき。又銀座に準じて金澤に札座を置き、銀札方横目二人・札座頭五人・下役人帳面方三人・掛二人・算用方二人・包方二人・錢調方五人・入口方二人を置き、七月朔日その通用の初に當りて、直に正銀停止して假札を發行し、次いで十月十八日に至りて本札を發行し、札座に於いて先の假札と交換せり。その種類は、百目・五十目・三十目・二十目・十匁・五匁・三匁・二匁・一匁の九種にして、表面に何程と書し、又『寶鈔無滯可通行、僞造之者可嚴科、犯人於訴出者、雖同類之、賞五十枚、以可犯人之家財也。』と記せり。後一匁以下の小札なくして不便を感じたりしを以て、寶暦六年六月七日更に五分札を加へたりき。

寶暦發行加賀藩鈔 男爵前田直行氏藏