石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第六章 經濟交通

第一節 貨幣

内に於いて製造せられたる銀貨に對し、諸國より輸入せられたるものを、一般に取込銀といへり。取込銀の種類は甚だ複雜にして、大小品位固より一定ならず、その不便甚だしかりしを以て、寛永十年四月の令により取込銀通用禁止し、銀座に於いて之を改鑄して、新極印銀發行することゝせり。新極印銀の品位は、初め今極印朱染紙封の子に比して二歩下りとする豫定なりしが、同年六月更に五歩下りに鑄造することに改めたり。

 御分國中取込之子、善惡不同に付、三ヶ國一統に被仰出候條、來月朔日以後は、新極印銀子を以商賣可仕候。若當月以後、跡々取込之子取あつかひ候もの於之者、可曲言之旨被仰出者也。仍如件。
    寛永十年四月十二日                  横 山 山 城 守
                               本 多 安 房 守
〔三州寶貨録〕
       ○

 一、御分國中取込之子善惡不同に付而、此度被御改、取込之子、朱染紙封に二歩下之積りに被仰付候間、跡々より遣來候取込之子、上中下を見合、一統にふきなほさせ、新極印打せ可申候。向後丁銀とつりあひ候樣に可申付事。
 一、金澤町中において、慥成もの二人致吟味、吹所に可相定候。然ば此已前之取込銀ふき直候刻、少も私曲無之樣に、堅爲誓約、其横目を出、有樣に致裁許候樣に可申付事。
 一、當町天秤座之者共、今極印朱染紙封の子ふき來候條、今度取込之子も右御定の通りにふかせ可申事。
 一、新極印之儀四ヶ所のふき屋一樣にいたし可申候。其外に面々に添極印を打、子不同に無之樣に、吟味所中爲四人、互吟味可仕旨可申付事。
 一、越中之儀は所々金山より子出申候條、富山町中にふき所二ヶ所に相定可然存候事。
 右御國廻御上使衆、近日可御通候條、急度相極候樣可申付事肝要候。以上。
    寛永十年卯月十七日                  横 山 山 城 守
                               本 多 安 房 守
〔三州寶貨録〕
       ○

 一、今度吹直之新極印之子不改、替歩入之算用を以可召遣事。
 一、此已前取噯仕(アツカヒ)候取込之子吹直候事、自今以後者、朱封の子五歩下に吹立、新極印慥に打可申事。
 一、代物賣買之事、貫錢之分は可御定候。小遣・上錢者一貫文に付而新極印之子を以、二十目之内外相對次第之事。
(中略)
 右之分無相違樣に、當町中へ堅可申付者也。
    寛永十年六月六日                   横 山 山 城 守
                               本 多 安 房 守
〔三州寶貨録〕