石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第八節 雜業

煙草外に輸出することは、之を禁止するを原則とし、その許可を得たるものゝみ輸出を妨げずとせり。此の如きは獨煙草に對してのみならず、内の諸産物に通じたる方針にして、特にの專賣品たる鹽を密輸出したる場合の如きは死刑を以て臨みたりといへども、煙草に就きては頗る寛大にして、單に商品を沒收するに止れり。若し商人にして煙草輸出の許可を得んとするものある時は、先づ町會所に申告し、町會所はその數量・移出先・價格を調査し、移出先の價格が移出元のそれに比して勝れるを認むれば利益高を標準として課税し、その納入の後鑑札を下附せり。この課税をツブの冥加金といひ、鑑札をツブの小札と稱へたりき。小札の表には、通煙草何百貫と書し、裏に郡奉行・町役人及び本人の名を書す。小札は上質の中折紙を四ッ切又は六ッ切にしたるを用ひ、四ッ切なるを大ツブ、六ッ切なるを小ツブといへり。ツブは津歩にして、津出しに對する歩合税の義にあらざるか。尚考ふべし。