石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第六節 製箔

前記の如く左助は金箔賣捌許可を得たりしが、同月二十二日更に江戸銀座役所に至りて箔賣捌をも許可せられ、江戸に於いて之を購入せんとする時は、京都銀箔取次人呉服町松屋市左衞門に就きて之を得べく、京都銀座にも既に移牒せられたるが故に同地より直輸入するも亦妨なしとの指令を受けたり。これより後左助は能登屋を改めて越野氏を稱し、一刀を帶するの資格を與へらる。これ江戸の金座との交渉上、平町人としては困難なる事情多かりしによるといふ。而して金箔打立に關しては、當時柏原吉左衞門より左助に與へたる書翰に、今後鹽崎勝兵衞に就きて許可を得るに盡力すべしと記すといへるも、その事實となりて現るるまでには尚二十年の歳月を要したりき。