石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第四節 林業

加賀藩が樹木保護の途を講じたること、前記の如く至れり盡くせるものありしといへども、畦畔等に生じて陰影を稻田に投じ、爲に收穫を減ずるの憂あるものに至りては、宜しく之を伐採せざるべからず。是を以て天保九年令を諸郡に發して、悉く是等の雜木を除かしめたりといへども、たゞ川筋等に在りては、出水の際麁朶の用を爲すを以て、多少蔭樹となるとも之を存することゝなせり。次いで同十一年七月日蔭松伐採の法を定む。即ち蔭樹となるべき松を伐採せんとするには、先づ村方より改作所に出願するを要し、而してその目廻三尺以上のものにありては、改作所より御郡所に通牒して山廻の實地檢證を求め、改作奉行の奧書を加へて更に御郡所に送附すれば、御郡所は御算用場に對し、用材として御作事場に必要なきかを照會し、然る後之を處分することゝしたるなり。若し松樹にして損木なるか又は目廻三尺以下なるときは、改作所は御郡所の檢證を求め、その書類に御算用場の印を得て御郡所に廻附すれば、御郡所は適宜之を處分せり。