石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第四節 林業

山林の管理は、の御算用場奉行之を總理し、郡奉行之に次ぎ、山奉行又之に次ぎ、その下に山廻あり。林政には、十村及び新田裁許の如き普通村吏をして參與せしむることなきにあらずといへども、要するに之が專務者は山奉行及び山廻に外ならざるなり。山廻は常に擔當區域の山林を視察し、一切の事項を上通下達するを職掌とす。山奉行は一年數次山林を巡り、山廻の報告に關して實否を檢し、適當の措置を執り、必要ある時は郡奉行と協議し、又は上司なる算用場奉行の指揮を仰ぐ。その他山番といふ者ありて、一村の申合により設置せられ、その給料は米穀又は金錢を以て村費より支出せらる。山番も亦日々山林を巡り、若し異状ある時は之を村吏に通知し、故なくして伐木する者を中止せしめ、或はその姓名を訊問する等の事を爲す。前記の中、山廻は素より農民に就きて任命する所にして、その扶持を受くるものなるときは御扶持人山廻といひ、否らざるときは平山廻といふことあり。その地位、御扶持人十村及び平十村に同じ。山廻の老いて職を免ぜらるゝときは山廻列となる。但し領内能美郡には山廻なく、能登には名は山廻なるも鹽相見人となり又は鹽吟味人の職務を行ふものあり。又長氏舊領鹿島半郡の山方御用に從ふものに半郡山廻と稱するもの二人あり、奧郡にも亦藩有林のみの七木取締等に當る山廻二人あり。皆十村列及び新田裁許列より兼務するものとす。是等の外の能登には普通の山廻なく、その山方御用は山廻足輕をして勤務せしむ。