石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第五章 殖産製造

第四節 林業

百姓持山にして金澤の附近に在るものは、城下の細民こゝに落葉を採取するが故に、往々山林所有者との間に衝突を生ずることあり。且つ細民の特に横暴なるものにありては、窃かに利器を齎して枝幹を伐採するものすらなきにあらざりしを以て、天和二年は之が爲に規則を制定し、一ヶ月六次を限り何人にても落葉搔を許し、尚當日といへども山林の所有者にあらざれば鎌又は山刀を用ふるを得ずとせり。文政三年また石川・河北二郡の松山足輕小者等の落葉搔を行ふ者は前々より六齋兩に限るとの命あるが故に、この法は藩政時代を通じて施行せられたる所なりしなり。

 一、金澤近邊百姓持山に而松の落葉かき候事、跡々より如定置、毎月五日・十日・十五日・二十日・廿五日・廿九日、右六日金澤者並他村之者入込落葉かき可申事。
 一、右定之六日之外爲入込申間敷。百姓迄在々持山に而、勝手次第松之落葉かき可申事。
 一、定之六日、金澤者・他村之者鎌・山刀・よき持參仕候者、跡々の如く山廻共見付次第取上候樣申渡候條、百姓共見付候はゞ山廻え斷可申事。
 一、定之六日前日迄に、百姓共松之落葉成次第取切可申候。右六日に至りかきかけ・かきため仕置申間敷候。かき置候松の葉取揃候はゞにうに仕置可申候。右にうなど盜取者有之候者、其者之、宿見屆斷置、此方え可案内候。下に而口論仕合候ば、可越度候事。
    戌十二月二十四日(天和二年)
〔御定書〕