用水に關する費用は、往時領内一統の高打
銀となしたりしが、郡によりてその費用に多少の差あるを以て、
元祿八年一郡限りに
徴收し、之を該郡
用水の爲に支出することゝせり。葢し此の如くなるときは、郡内の
十村・
百姓等皆自家の
普請なるが如く感じ、その費用を節約するの利あるべしとせられたるに因る。
用水打
銀は年々郡の
御扶持人十村より、
用水の
普請すべき箇所を定め、經費を見積りたる帳册を作り、別に百石に付
銀何十匁を
徴收せんとの事を稟申し、政作
奉行は
算用場奉行を經て
郡奉行に通じ、
郡奉行は各
十村に命じて上納せしめ、
役銀所に保管せしむ。
用水打
銀を支出する必要ある時は、之を
改作奉行に申請す。